チョン・ミン
キャスリーン・キム
アルフレッド・キム
[会 場] |
福岡シンフォニーホール |
[出 演] |
指揮:チョン・ミン |
ソプラノ:キャスリーン・キム | |
テノール:アルフレッド・キム | |
[曲 目] |
マーラー:交響曲 第1番「巨人」 |
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲 | |
ヴェルディ:歌劇「リゴレット」より | |
ヴェルディ:歌劇「椿姫」より | |
[入場料] |
S席 3,000円 / A席 2,000円 (学生券 1,000円) |
■公演を終えて |
ついに始まった「チョン・ミョンフン プロジェクト in アクロス福岡2012」。その第1弾として行われたのが、チョン・ミョンフンの第3子で指揮者として活動をしているチョン・ミンと、韓国出身でヨーロッパ、アメリカで歌手として活躍しているキャスリーン・キム(ソプラノ)、アルフレッド・キム(テノール)が九州交響楽団と共演する演奏会だ。前半のプログラムは、ヴェルディの中期の傑作「運命の力」序曲に始まり、「椿姫」の第1幕のヴィオレッタのアリア、「リゴレット」のマントヴァ公のアリアなどが歌われた。メトロポリタン歌劇場(ニューヨーク)、ウィーン国立歌劇場などで活躍するふたりの若手の歌声は、フレッシュ、かつ、伸びやかで、贅沢な気分を味わえた。
後半のプログラムはマーラーの交響曲第1番「巨人」。作品自体が、作曲家の若さを感じさせるものだが、チョン・ミンの指揮は音楽そのものの息吹を新鮮に表現した。九州交響楽団もその指揮に応えて、最終楽章ではダイナミックな音作りに成功していた。こうした若手指揮者との共演の中で、オーケストラも新しいエネルギーを得るということもあるだろう。今後も楽しみになる演奏だった。 レポート/片桐卓也(音楽ジャーナリスト)
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アクロス・ユース・オーケストラ
[会 場] |
福岡シンフォニーホール |
[出 演] |
指揮:チョン・ミョンフン |
管弦楽:アクロス・ユース・オーケストラ | |
[曲 目] |
ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 「新世界より」 ほか |
[入場料] |
全席自由席 一般 1,000円 / 学生 500円 |
■公演を終えて |
7月末にはチョン・ミョンフンが来福。3日間に渡り、高校生、大学生を中心とする若者たちのオーケストラを指導し、演奏会に臨んだ。リハーサルでの音楽作りも非常に興味深いものだったが、7月31日に行なわれた演奏会は、本当に力演だった。
前半はオーケストラの中核となった福岡市立福岡西陵高等学校管弦楽部の演奏により、ジョン・ウィリアムズの組曲「スター・ウォーズ」から第5曲「王座の間とエンド・タイトル」が松田和宏(福岡西陵高等学校管弦楽部顧問)の指揮により演奏された。堂々とした音楽作りは、このオーケストラの実力をよく教えてくれるものだった。 後半はリハーサルを重ねてきたドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。コンサートマスターに岡本弦也(九大フィルハーモニーオーケストラなどで活動)を迎え、大学オケで活動するメンバーも加えた編成である。豊かなメロディに溢れているが、意外に難しい部分も多い「新世界より」。ひたむきにその作品に向かう若者たち、そして、リハーサルの時よりもさらに自在に音楽を動かそうとする指揮者の想いがひとつになって、感動的なクライマックスを迎えた。客席に向かって「もっとブラボーを」とチョンさんが求めるシーンがとても印象的だった。 レポート/片桐卓也(音楽ジャーナリスト) |
アジア・フィルハーモニー管弦楽団
[会 場] |
福岡シンフォニーホール |
[出 演] |
指揮:チョン・ミョンフン |
管弦楽:アジア・フィルハーモニー管弦楽団 | |
[曲 目] |
シューベルト:交響曲 第7番「未完成」 |
ベートーヴェン:交響曲 第3番「英雄」 | |
[入場料] |
S席 7,000円 / A席 5,000円 / B席 3,000円 (学生券 1,500円) |
■公演を終えて |
青少年オーケストラの演奏会の翌日8月1日には、アジア・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会がチョン・ミョンフン指揮で行なわれた。アジア・フィルもやはり7月29日からリハーサルを行い、今回のツアーの演奏会に備えたのである。
アジアのオーケストラで活躍するメンバー、そして欧米の一流オーケストラで活躍するアジア系のメンバーを集めた多国籍オーケストラの音は、さすがに迫力がある(コンサートマスターは、フランス国立放送フィル、ソウル・フィルのコンサートマスターとしても活躍するスヴェトリン・ルセフが担当)。リハーサルで練られたアンサンブルが、本番の演奏会ではさらに深みのある音楽を作り出していた。 その演奏会だが、前半にシューベルトの「未完成」、後半にはベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」が演奏された。「未完成」では、特に第2楽章の音楽の表情の変化、木管楽器の美しいソロなどが印象に残った。後半の「英雄」は、作品の持つスケールの大きさを実感させてくれる演奏。ただし、力んだ大袈裟な音楽作りはまったくなく、自然に流れ始める音楽がジワジワと心に迫ってくるような、チョン・ミョンフンらしい感動的な演奏だった。 レポート/片桐卓也(音楽ジャーナリスト) |
レポート/片桐卓也(音楽ジャーナリスト)