#1 博多南 JR西日本
ホームから望める
新幹線車両群は
ファンにはたまらない。
300円で新幹線に乗れる!
博多駅から南へ8.5km、博多南駅まで伸びる博多南線は、JR西日本が地元の要望に応え1990年4月1日に開業。博多駅と博多総合車両所を結ぶ新幹線回送線を旅客線化したもので、回送線はもちろん、九州新幹線も行き来している。博多駅から博多南駅までの料金は、運賃+特急料金で300円。博多南駅行が28本、博多駅行きが26本運行。そのうち、一部の列車が山陽新幹線「こだま」の延長運転という形を取っている。新幹線が在来線として使われ、定期列車として運行しているのは日本国内でここだけだ。博多駅から8両編成の新幹線に乗車し、博多南駅を目指す。車窓から、ビルやマンション、都市高速道路のほか、遠くに山々も望める。福岡空港を離発着する飛行機を目にすることも。わずか8分ほどで博多南駅に到着し、1面のホームに降り立つ。
博多南駅は博多総合車両所の西端に位置する。駅のスタンプには、"新幹線車両基地のある駅"と記され、歴代新幹線が描かれている。同駅の利用客数は1日約1万4,000人で、通勤・通学、買い物客が中心。周辺が福岡市のベッドタウン化し、大幅に人口が増えた地元の人たちにとって、重要な足になっているのは間違いない。
小ぢんまりした駅舎内には、みどりの窓口を併設した切符売り場のほか、小さな売店や待合室も。駅住所は春日市になるのだが、駅舎を出るとすぐ那珂川町に。駅前ビルには1階にバスセンター、2階は駐輪場のほか一部が駅前公園に。4階からは、駅舎上の高架橋を行く九州新幹線を見ることができる。
再び、ホームに立つと、目の前に広がる博多総合車両所の大きさに驚く。33万㎡、ヤフオクドーム約4個分の広大な敷地は、日本有数の車両基地だ。40以上の基地内線路があり、16両編成の700系「のぞみ」約400mが並ぶさまは、まさに圧巻の光景。鉄道ファンでなくてもワクワクするはず。博多総合車両所では、毎年10月「新幹線ふれあいデー」が行われ、一般開放されており、博多南駅が一番にぎわう日になっている。
(取材・文・写真 東 淳二郎)
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