エディタ・グルベローヴァ主演
プラハ国立歌劇場「ノルマ」
※このイベントは終了しました。
伝統と栄光のオペラ座が挑む究極のベルカント・オペラ
オペラ史上に輝く「ノルマ」は、そのドラマティックな物語はもちろん、歌手の声や技術の披露を目的として作曲されており、今までも時代を代表する歌姫たちが、その実力を惜しみなく披露して参りました。中でも、名アリア「清らかな女神よ(Cast Diva)」は、ソプラノ歌手の集大成、キャリアの到達点ともいうべき超難曲で、グルベローヴァで聴くことが出来る千載一遇のチャンスと言えるでしょう。
チェコの伝統あるプラハ国立歌劇場渾身の制作による、豪華絢爛、大合唱団によるグランドオペラにどうぞご期待ください。
聴きどころはこちら
「究極のプリマドンナオペラ≪ノルマ≫を、
究極のプリマドンナ、グルベローヴァで聴く」
ヴィンチェンツォ・ベッリーニの≪ノルマ≫は、オペラ史上に輝く傑作のひとつである。歌手の声や技術の披露を目的に作曲されたオペラから、物語や人物に寄り添うドラマティックなオペラへの境目に、≪ノルマ≫は凛と佇んでいる。有名なアリア〈清らかな女神〉を歌うノルマを照らす、銀色の光のように。
ノルマは巫女、つまり神聖な存在だ。なのに敵国の将軍と禁断の恋に落ち、子供までもうけてしまう。そこまで犠牲を払ったのに、恋人は別の女性と恋に落ちていた。女として母として、怒り、嘆き、苦しむノルマの心を、ベッリーニの音楽はあくまで美しく、繊細に描き出す。ノルマが自らの罪を告白し、彼女の真の愛に気づいた恋人とともに火刑台へと向かう幕切れは、悲劇を忘れるほど神々しい。
初演の時ノルマ役を歌ったジュディエッタ・パスタという名歌手は、役柄にのめりこむあまり「ノルマかパスタか区別がつかない」と絶賛された。以来ノルマ役は、数少ない究極のプリマドンナ役として、時代を代表するディーヴァたちを魅了してきた。とりわけ19世紀前半の、歌手優先のオペラを得意とする歌手にとって、ノルマは集大成というべき大役だ。
現代最高のプリマドンナのひとりであるエディタ・グルベローヴァは、60代も後半を迎えた現在、キャリアの到達点としてノルマ役に取り組んでいる。技術の面でも、声の色合いや表現力においても、かつてない高みに達している彼女のノルマが日本で聴けるのは奇跡というほかない。どうあっても見逃せない、聴き逃せない公演である。
加藤浩子(音楽評論家)
※チケットは、完売しました。
◆福岡・音楽の秋フェスティバル2016◆