「ACROS」2016年5月号
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ーお二人は、大村さんの入団前ーストラヴィンスキーの 「ペトルーシュカ」についても 教えてください!吉浦:僕ね、ストラヴィンスキーは大好きな作曲家で、LPレコードとCDいーっぱい持っています。ジャズを取り入れた曲や、大編成の曲、さらに室内オーケストラまで幅広い。でもやっぱり「三大バレエ」※だよね。大村:九響はCDを出していますよね。吉浦:2008年に録音した1911年のオリジナル版ね。今回演奏するのはオーケストレーションが手直しされた1947年版。聴き比べると面白いと思います。この曲は、元々ピアノ協奏曲を想定していたっていうだけあってピアノが大活躍。共演の佐藤美香さんにも注目です。大村:「ペトルーシュカ」は、人形に命が吹き込まれて、最後は殺しが起こるっていう何ともおどろおどろしい物語。その命を吹き込む魔法をかけるのがフルートなんですよ!爽やかなフルートの音色なんですけど(苦笑)吉浦:今回はブルガリアの若い指揮者との初共演もワクワクするね。考えてみれば、ドイツ(ワーグナー)、フランス(イベール)、ロシア(ストラヴィンスキー)、ブルガリア(指揮者)、オーストリア(独奏者)、日本(オーケストラ)、全て異なる、異文化コラボレーション!大村:確かに!このコンサートだけで、国も時代も超えられる。これがクラシック音楽の良さですよね。吉浦:作品それぞれの色彩感が、ロシア料理とフランス料理くらい違うから(笑)その違いを存分に楽しみに、ぜひ聴きにきてください!ー大村さん、フルートの アウアーさんってやっぱり すごいんですか?大村:世界のウィーン・フィル首席ですからね。音がすごく明るく透き通っていて、典雅なフルートを吹かれる方です。テクニックはもちろん、本当に細かく隅々まで表現される素晴らしさ!同業者として驚くぐらいです。余談ですけど、料理が好きで、かなりお茶目な方らしいですよ。吉浦:おお、リサーチしてますね~。大村:イベールの協奏曲は何と言っても冒頭のインパクトが面白いんです。一見ぐちゃぐちゃーって始まって、あらっ?という間にフルートが跳ね回って。第2楽章は非常に美しくて、アウアーさんの明るい音がさえるんじゃないかと思いますね。※ストラヴィンスキーの初期の3つのバレエ 音楽「火の鳥」「ペトルーシュカ」 「春の祭典」ikuuY arumoOikustaK aruihsoYetulFssabartnoCプレトーク知れば知るほど   おもしろい!コンサートに  行きたくなる!メンバーの金27大村 友樹:吉浦さんには、10年前に僕が九州に来てすぐの頃、随分お世話になりました。アマチュア・オーケストラの指導のやりとりで。吉浦 勝喜:一緒にライブもやったよね。そういう縁です。大村くんは、見ての通り真面目を絵に描いたような人。大村:ノーマルを任じていますので(笑)吉浦:そういう人こそちょっと危ないんだよね(笑)これからオケにどんな刺激をくれるのか、楽しみだなぁ(笑)5月の九響定期は彩り豊かなラインナップ!入団34年の吉浦氏と今年1月に入団された大村氏に聴きどころをうかがいました。ⒸAmit Katzir13コントラバス奏者吉浦 勝喜フルート首席奏者大村 友樹ワーグナー舞台神聖祝典劇「パジルファル」より第1幕への前奏曲イベールストラヴィンスキーバレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)指揮:ヨルダン・カムツァロフフルート:ワルター・アウアーピアノ(ペトルーシュカ):佐藤美香公演詳細・チケット取り扱いは、P8をご覧ください2016.Mayから交流があったそうですね。19:00開演福岡シンフォニーホール#14聴きに行こう!九州交響楽団 第349定期演奏会~ブルガリアの星 カムツァロフを          迎えて~5/フルート協奏曲

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