「ACROS」2016年6月号
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土2知れば知るほど   おもしろい!コンサートに  行きたくなる!メンバーの*(公社)日本演奏連盟が主宰するオーディション。  全国の新人にオーケストラとの協演の機会を提供している。okieKustamegihSokuY ikakaSniloiVolleCプレトーク 2016.JuneⒸcofano137月の第350回定期演奏会は、ラフマニノフ「交響曲第3番」をはじめとするオール・ロシア・プログラム。弦楽器のお二人にお話を伺いました!ーお二人が入団したきっかけを  教えてください■ 裕子:ヴァイオリン好きの母にすすめられて小さい頃から習い始め、いつからかプロを目指していました。今でも両親は必ず定期演奏会を聴きにきてくれています。ホール全体が見渡せて音の響きも1階と違う良さがあるから、両親は2・3階席がお気に入りみたい。重松 恵子:私の場合は家族から「九響と共演するチャンスがあるよ」と新進演奏家育成プロジェクトのオーディション*を勧められたのがきっかけです。■:鮮明に覚えていますよ。重松さんはとにかく音色がきれいで、音楽がすごく好きなんだなぁって感じました。重松:とてもうれしいです!あの時は、いろんな思いをこめて弾きました。を発見したんです!この交響曲第3番の第3楽章に使われている旋律が、ムソルグスキーの「禿げ山の一夜」の冒頭にも聴こえるんです!これは、世界最古のクラシック音楽といわれているグレゴリオ聖歌の■ディレス・イレ(怒りの日)■の旋律(ファミファレミドレ)で、当時のロシアの作曲家の間で流行っていて、よく引用されていたそうです。■:ラフマニノフもムソルグスキーも、同じようにインスピレーションを受けたってことですね。ヴァイオリン奏者■  裕子チェロ奏者重松 恵子ムソルグスキー交響詩「はげ山の一夜」(原典版)ショスタコーヴィチヴァイオリン協奏曲 第1番イ短調 作品77ラフマニノフ交響曲 第3番 イ短調 作品44指揮:ダニエーレ・ルスティオーニヴァイオリン:フランチェスカ・デゴ九州交響楽団 第350定期演奏会〜俊英ルスティオーニ再登場!〜7/聴きに行こう!15:00開演福岡シンフォニーホールお問い合わせは、九響チケットサービス(tel.092-823-0101)まで。ー ラフマニノフの「交響曲第3番」は 生演奏でなかなか聴く機会が ないですね■:私たちも2002年の第235回定期以来、2回目です。すごくメリハリのある曲ですよ。静かな序奏に始まり、それがいきなり破られる。続いてロマンチックな音楽が流れて、かなり目まぐるしい。重松:ラフマニノフは1917年のロシア革命でアメリカに亡命した後、一度も故郷に帰れなかったそうです。そのためか、懐かしいロシアを想うメロディーがとても切なくて美しいんですよね…。そういえば、昨夜スコア(楽譜)を読んでいて、面白いことー音楽をつくる理想のコンディ ションは、どんなときですか?重松:すべてのバランスが整った時です。練習の積み重ねで得られる自信は何よりも大切かもしれませんね。■:あと、曲に対する意欲かな。まず自分自身が楽しんで、それをお客さまに伝えようっていう気持ち。練習を重ねるたびにオケがひとつになってきたという高揚感も!ー今回の指揮者ルスティオーニさん とは2年前に初共演していますね■:2年前のムソルグスキー「展覧会の絵」は、彼の指揮で弾いていると■絵画■が浮かんでくるようで、とても楽しかったです。明るくって、表情がコロコロ変わる。少年のような、母性本能をくすぐるようなところもあったりね(笑)。音楽に対しては、真っすぐでエネルギッシュ。気がついたら、彼の音楽の世界にひきこまれる…そんな感じですよ。皆さんも楽しみにしていてくださいね!#15

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