「ACROS」2016年7月号
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PROFILE1956年福島県生まれ。音楽ジャーナリストとして「音楽の友」「モーストリー・クラシック」誌などに執筆を続けるほか、NHK・FM、JーWAVEなどラジオでもクラシック情報を発信している。日本公演を楽しみに日々努力を重ねる団員たちの熱い演奏を、ぜひお聴きください。福岡のお客さまにメッセージをお願いします。リオール・シャンバダール指揮ベルリン交響楽団福岡シンフォニーホール来演履歴片桐 卓也 (かたぎり たくや)曲目 シ ョ パン:ピアノ協奏曲第1番 曲目ベートーヴェン:交響曲第7番 2010年 7月9日(ピアノ/スタニスラフ・ブーニン)2014年 6月27日ほかほかクラシック音楽の育まれた場所、ヨーロッパの主要な都市では、さぞかしたくさんのオーケストラがひしめき合うように活動している、と思っている方も多いだろう。しかし、実際のところ、ひとつの都市で複数のオーケストラが競うように活動している都市は少ない。ロンドン、アムステルダム、ウィーン、ベルリン、プラハぐらいだろうか。その中でも、ロンドンとベルリンはオーケストラの数が多い。音楽ファンの数の多さという理由だけでなく、歴史的な要因によるところも大きい。ベルリンく、第2次大戦後に東西に分断され、それぞれの地域で独自のオーケストラ活動が行われたという事情がある。オペラ座も東西ベルリンにそれぞれ存在しており、それが今も活動を続けている。そんな中でベルリン交響楽団は1966年に西ベルリンで設立されたオーケストラである。1997年から現在も首席指揮者であるリオール・シャンバダール(1950〜)が率いているが、オーケストラが深い信頼関係で結ばれていることを意味している。海外ツアーも積極的に行っており、日本にはほぼ2年に一度のペースでやって来ている。その都度、ドイツ音楽の魅力を紹介してくれているが、2014年にはアクロス福岡でオール・ベートーヴェンによる公演(ピアノにリシッツァを迎えた)を行ったことを覚えている方も多いはずだ。今回はソリストにヴァイオリンのイリヤ・カーラーを迎えて、エルガーの「愛のあいさつ」、ブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」、そしてドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」という、クラシック音楽の名曲中の名曲を演奏する。イリヤ・カーラーは、パガニーニ、シベリウス、チャイコフスキーという3つの難関コンクールを制覇した実力の持ち主で、現在はアメリカ在住。ブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」はオーケストラと独奏ヴァイオリンが、時には拮抗し、時には溶け合う、とても重厚な作品。本当にヴァイオリニストの実力が試される作品なのだが、カーラーなら作品に負けない堂々とした演奏を聴かせてくれるはず。ドヴォルザークの「新世界より」は作曲家がアメリカ滞在時に書いた交響曲で、特に第2楽章が有名だが、どの楽章にもドヴォルザークの様々な想いが込められた、味わい深い傑作である。シャンバダールの生き生きとした音楽作りが楽しめる、そんな演奏会になるだろう。今年は名手イリヤ・カーラーを迎えて王道の名曲プログラムを展開するベルリン交響楽団2016.July日 時 7月13日[水] 19:00開演会 場 福岡シンフォニーホール料 金 S席10,000円 A席9,000円 B席7,000円 C席5,000円(学生券2,500円)出 演 指揮/リオール・シャンバダール ヴァイオリン/イリヤ・カーラー 管弦楽/ベルリン交響楽団曲 目 エルガー:愛のあいさつ ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調「新世界より」03Lior Shambadal , Principal conductor1950年イスラエル生まれ。イスラエルのハイファ交響楽団首席指揮者、テル・アヴィヴ室内オーケストラ音楽監督、ドイツのカイザースラウテルン歌劇場音楽総監督、スロヴェニア放送交響楽団首席指揮者を歴任。1997年、ベルリン交響楽団の首席指揮者に就任。音楽に対する誠実な姿勢と身体中から溢れる情熱で、ベルリン・フィルハーモニーホールにおける定期公演や世界ツアーで常に聴衆を魅了。過去7度の日本公演では各地で絶賛を博している。 公演情報リオール・シャンバダール(首席指揮者)20るこ年と近にくな両る者。のそ関れ係はは指続揮い者てとい音の楽場活合動は20が世盛紀んにだ入っったてだかけらでのな
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