「ACROS」2016年8月号
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早いもので10回目の定期演奏会です。この演奏会の特徴のひとつとして、景山さんが指導するアクロス福岡ヴァイオリンセミナー卒業生との共演があります。卒業生だけでなく、各地で頑張っている若いプレーヤーはどんどん応援したいですね。 自分が若いころ師事したかった先生は東ドイツの人で、そう簡単に留学できる場所ではありませんでした。学ぶことが容易ではない時代だったかもしれません。今はインターネットなどで、手軽に素晴らしい演奏や昔の名演も聴けるし、留学先も増え、学ぶ環境が整っています。それだけに、若手プレーヤーのレベルはとても高いと思います。なのに、活躍の場所がないのが残念ですね。もったいないですね、勉強する場が広がるなら、活躍する場所も同じように広がってほしいですね。 アスリートと違ってタイムや点数で順位をつけるものではないから、音楽性や表現方法、とらえ方などの違いはあるけど、みんなが正解だったりするんです。だから、それぞれが活躍できる場所があれば、いろいろな音楽が聴けるはずです。さまざまな音楽性をもったアーティストが集まるからいい音楽ができるんです。このアクロス弦楽合奏団はそのひとつですね。今回のプログラムはどんな流れになりますか? 全員で演奏するということと、やはり時代が古いものからということでヘンデルからスタートし、そしてクープランですね。今回、これまであまり取り入れていなかった英国ものも入れました。ホルストは「惑星」の印象が強いのですが、彼は音楽の先生だったらしく、素朴ですっと入ってくる曲です。そして最後は、名曲チャイコフスキーの「弦楽合奏のためのセレナード」です。この曲は、最初に取り入れるのを決めました。クープランの「演奏会用小品集」はどんな曲ですか? カルテットをバックにチェロがソロ演奏する小さな編成になります。チェロの奇麗な音色と、弦楽アンサンブルとの調和を楽しんでいただけアクロス第10回定期演奏会弦楽合奏団02Ⓒ椎原一久2016.August出演者のインタビューAcrosStringEnsemble

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