「ACROS」2016年11月号
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「筑紫讃歌」はどのような曲ですか? 團先生には、福岡県やその近郊各地を題材にした名曲がたくさんありますが、その代表といってもいい大作です。歴史的に学ぶことがとても多く、そして、なによりも人間愛がこめられた素晴らしい曲です。歌詞には、古文書にでてくる地名や建物、自然に恵まれた大地の素晴らしさなど、筑紫の魅力がたくさん込められています。そしてさらには、海を越えてアジアの歴史が登場しますね。 歌詞には、福岡の方であればほとんどの方が知っている鴻臚館や志賀の島の名がでてきますし、現在でいうと韓国、モンゴル、中国も登場します。それぞれの国のこと、人々のことを知って、人間それぞれの違いを認めることで平和が訪れる。ともに平和な世界をめざしていこうという思いがこめられています。メッセージ性の高い内容なんですね。 犬塚先生がすばらしい歌詞を作って、それに共鳴した團先生が曲を作りました。オーケストラで演奏するので、太鼓などの日本の楽器は一切使わず、当然西洋の楽器で演奏するのですが、この曲には日本、ひいてはアジアの響きを感じ取ることができます。そして宇宙的といってもいい壮大さがあります。その素晴らしい曲を200人もの合唱団で歌い上げますね。 「山は頂でわかる」と團先生がおっしゃっていました。これは、高い山はそれだけ裾野が広いということなのですが、音楽も同じです。若い人々の力も借りながら一緒に歌い、高みをめざしていけばきっと裾野が広がります。これだけの素晴らしい曲ですから、ぜひ歌い継いで、たくさんの方々に知ってほしいですし、福岡の皆さまには大切にして欲しいと思います。2016.November02出演者インタビュー指 揮:現田茂夫管弦楽:九州交響楽団合 唱:筑紫讃歌    特別合唱団合唱とオーケストラのための組曲バリトン吉江忠男ソプラノ佐藤しのぶ

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