「ACROS」2017年7月号
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メンバーの火11asihori i ioinihsiaHillloVeCaMHatayMプレトーク知れば知るほど   おもしろい!コンサートに  行きたくなる!Q:7月の定期は、オールドイツ  プログラムですね!宮田 浩久:そうです、しかも九響初共演の指揮者セバスティアン・ヴァイグレ氏もドイツのご出身です。葉石 真衣:初共演の指揮者の方だと、宮田さんのようにキャリアが長い方でも、緊張されるんですか?宮田:緊張はないけれど、指揮者の人柄が分かっていた方が、演奏しやすいというのはあるかもしれませんね。繊細な方もいれば、おおらかな方もいて、本当にいろいろなタイプの方がいらっしゃいますからね。葉石:今回の副題にある「バイロイト」は、ドイツ南部の都市ですよね?宮田:そうです。ワーグナーのオペラを上演する「バイロイト音楽祭」が毎夏開催されていることで有名です。ワーグナーファンの聖地となっていると聞きますね。葉石:ワーグナーの曲はとても独創的で、好きな方は多いですよね。宮田:ドイツ留学中には、よく演奏会に行っていましたが、ワーグナーの曲といえば、比較的長めという印象ですね。葉石:そうですね。でも、今回演奏するワーグナーの3曲は、どれも序曲と前奏曲だから、割と短めで聴きやすいと思います。私が音楽を聴いて初めて泣いた曲が、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」です。その時は、ホールではなく古民家でのピアノ演奏だったんですが、何かがあふれてくるのを感じて、自然と涙が出ました。だから、すごく感慨深い曲です。宮田:思い出のある曲をステージで演奏できるって良いよね!九響チェロ奏者の宮田浩久さんとヴァイオリン奏者の葉石真衣さんのお二人に、7月開催の「第360回定期演奏会」について、お話を聞きました。2017.July葉石:私は、今回の定期の曲全て初めて演奏します。どの曲も演奏してみたかったのですが、特にブラームスの4番の3楽章が好きです。宮田:私は、1楽章が好きかな。失恋をいっぱいすると、この楽章の良さをもっと感じられるようになると思いますよ。葉石:確かに憂いを含んだ、何かちょっと悲しげな感じがします。宮田:そう、そしてとてもきれいな旋律です。全体的に物悲しく、哀愁を帯びていて、3楽章で少し明るくなるんだけど、すごく光の出た明るさではない、曇ったような明るさなんです。4番はブラームスが作曲した最後の交響曲で、かなわない恋をずっと続けていたという彼の人生を感じさせる曲ですね。葉石:とってもぜいたくな一夜になりそうですね。宮田:プログラムとしては、全体的にどっしりとしています。どの曲もドイツ音楽の神髄という感じです。曲名が長くて難しそうと思う曲でも、聴いてみると意外と良かったりする場合が多いですから、ぜひこの機会に聴きにきてほしいです。Q:熊本出身の葉石さんは、入団  されて間もないんですよね?葉石:はい、今年の4月に入団したばかりで、一生懸命練習する毎日です。宮田:私は仙台出身ですが、九州は人も良いし、食べ物も美味しいから、気がついたらあっという間に25年経ちました。音楽は、環境もとても大事で、人との出会い、生きていることの楽しさを味わえば音楽性も変わってきます。楽器を突き詰めて勉強して、限界を感じても、それを破るのは人間性だと思います。葉石:勉強になります!九響の一員として演奏できる喜びを感じながら、地元九州の皆さまに素敵な音楽をお届けできるよう精一杯努めたいと思います。13ワーグナー歌劇 「タンホイザー」 序曲   〜ヴェーヌスベルクの音楽楽劇 「トリスタンとイゾルデ」 第1幕への前奏曲歌劇 「リエンツィ」 序曲ブラームス交響曲 第4番 ホ短調 作品98チェロ奏者宮田 浩久ヴァイオリン奏者葉石 真衣ⒸWolfgang Runkel指揮/セバスティアン・ヴァイグレS席5,200円 A席4,200円 B席3,100円(学生1,100円)  アクロス福岡チケットセンターにて発売中九州交響楽団 第360回定期演奏会バイロイトを飾った名指揮者 ヴァイグレのワーグナー7/19:00開演福岡シンフォニーホール聴きに行こう!#28

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