「ACROS」2017年7月号
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耳学素材は変われど、“技”はそのまま! 伝統が継承される背景には、変わらないものと変わるものとの共存があります。森山絣工房において伝統が継承されていくなかで、変化したもののひとつが「糸」。素材となる木綿は、かつては国産の木綿を使用していましたが、現在は、繊維がしっかりとしたインド産のオーガニックコットンを使用しています。ざぶざぶ洗って、長く使える久留米絣の歴史は、目に見えない変化が支えになっているのかもしれませんね。耳学目に見えない力に導かれ、 石材彫刻の第一人者でもある三島平三郎さんが石工とともに作り続けている沼楽人形。人形作りの師とあおぐ故・山下彦三郎さん(郷土玩具収集家)とのご縁が、第6回北九州市創作郷土玩具展(昭和47年)の最優秀賞獲得につながったそうです。その後、全国観光土産品通産大臣賞受賞や、スイス、フランスでの出展など、沼楽人形は北九州のみならず世界に羽ばたき広がっていきました。耳学世界に誇れる「用の美」 約350年の歴史を持つ小石原焼。現在は生活様式の変化にあわせて茶碗や皿、小鉢などの日用品が中心ですが、大型の■や鉢など古くから生活の役に立つ「用の美」を追求してきました。昭和20年代に民芸運動推進者のイギリス人陶芸家バーナード・リーチ氏が「民芸美の極致!」と称賛し、昭和33年にはブリュッセルの万国博覧会日本館第3部でグランプリを受賞するなど、小石原焼は世界で認められている工芸品なので耳学カラフルな発色の秘密 長尾作品の魅力の一つ、美しい色。鮮やかでありながらも優しい光を放つ風合いは、選び抜かれた素材と丁寧な染め、織りの作業によるものです。ヨーロッパのリネン(麻)は、使い込むほど柔らかく肌になじみます。発色の良いドイツの染料で重ね染めし、たっぷりの水に何度もくぐらせるので、色落ちすることもありません。素材や用途によって織り方も微妙に変えるので、布地のさまざまな表情を楽しめますよ。耳学大切な衣服を守る、みやまの天然樟脳 防虫の木として家具や仏像に使われてきた樟(くすのき)。この樟の、150年の結晶ともいうべきものが「天然樟脳」です。みやまの天然樟脳は九州産の樟のみを使い、十数もの行程を重ねて結晶化。一つ一つ丹念に八女の手漉き和紙に包まれています。樟の爽快な香りで、空気にさらせば香りがすっと消えるので、防虫剤の匂いが気になることもありません。タンスや本棚、靴箱などにいかがですか?2階06ぬまがくかんな主催森山絣工房 森山哲浩(代表)主催三島工房 三島平三郎(北九州市門司区)主催小石原焼陶器協同組合(朝倉郡東峰村)主催テキスタイル長尾 長尾浩介(福岡市西区)主催みやま市商工観光課(みやま市瀬高町)(八女郡広川町)2017.Julyかめ実演・体験久留米絣の機織り実演・体験  ※無料紙人形の制作実演7寸皿の絵付け体験 / 1,080円※作品は焼成後、着払いにてご自宅にお送りします。手織りの実演きじ車の絵付け体験 / 1,000円(24日〜26日)ほか※日程ほか詳細はP5をご覧ください。販売ありお問い合わせ▲文化観光情報ひろばTel.092-725-9100夏休み子ども手作り体験実施企画展。詳細は、P5をご覧ください。7/3(月)▲7/9(日)小倉沼楽人形展沼八幡神社(北九州市小倉南区)に伝わる沼楽を紙人形で表現しました。沼楽は豊作や悪疫退散を祈願する踊りとして古くから伝承されてきたものです。「楠原踊り」や「木屋瀬宿場踊り」など、北九州市の郷土芸能をテーマにした作品と併せてご覧ください。(約200点展示)実演7/12(水)▲7/16(日)※初日10:00から小石原焼窯元展生活雑器としての道を歩みながら、「用の美」を確立した小石原焼。飛び鉋、刷毛目、■目、流し掛けなどの技法で表現される独特の紋様が特徴で、素朴で温かい風合いが持ち味です。44窯元それぞれの特色を生かした作品をお楽しみください。(約300点展示)体験7/17(月・祝)▲7/23(日)ナチュラルライフスタイル 〈テキスタイル長尾〉夏のリネンテキスタイル北欧スウェーデンのテキスタイルをベースにした手染め、手織りの作品が勢ぞろい。アイリッシュリネンやアイスランディックウールなど、素材にこだわったハンドメイドのファッションアイテム、インテリア、キッチン小物などを展示販売します。(約300点展示)実演7/24(月)▲7/30(日)みやまのモノづくり展福岡県指定特産民工芸品のきじ車や天然樟脳をはじめとする、みやま市の伝統工芸品を展示販売します。希少となった国産花火、ハゼの実から作る和ろうそくなど、体験とともにお楽しみください。(約100点展示)※コミュニケーションエリア同時開催体験海を渡った沼楽人形匠ギャラリー企画展10:00〜18:00(初日12:00から最終日16:00まで)福岡県の国・県指定の伝統工芸品を常設展示しています。また、週替わりで民工芸品作家による作品展も開催しています。6/27(火)▲7/2(日)※初日10:00から森山絣工房と仲間たち展江戸時代の終わりごろから続く久留米絣の織元 森山絣工房。天然藍の深い色合いと繊細ではっきりとした絣柄には、人の手が惜しみなくかけられています。久留米絣の反物や洋服、バッグの他、沖縄の花織やガラスアートなども展示販売します。(約300点展示)入場無料

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