ジュリアーノ・カルミニョーラ
©Anna Carmignola
ヴェニス・バロック・オーケストラ
©Anna Carmignola
[会 場] |
福岡シンフォニーホール | ||
[出 演]
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バロック・ヴァイオリン/ジュリアーノ・カルミニョーラ ヴェニス・バロック・オーケストラ |
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[曲 目] |
ヴィヴァルディ:歌劇《オリンピアーデ》よりシンフォニア ハ長調 RV.725 ガルッピ:4声の協奏曲第3番ニ長調 マルチェッロ:弦楽のための協奏曲集《ラ・チェトラ》より第4番ホ短調 ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ヘ長調「聖ロレンツォの祝日のために」 RV.286 ★ ヴァイオリン協奏曲ホ短調 RV.281 ★ ヴァイオリン協奏曲ハ長調 RV.187 ★ ヴァイオリン協奏曲ヘ長調 RV.283 ★ ヴァイオリン協奏曲ニ長調 RV.232 ★ ★…ジュリア―ノ・カルミニョーラ出演 |
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[入場料] |
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■聴きどころ |
ヴィヴァルディや、パガニーニを輩出してきた弦の国「イタリア」出身のカルミニョーラが、ヨーロッパ屈指の古楽器オーケストラ「ヴェニス・バロック・オーケストラ」とともに、アクロス福岡に初登場!バロック・ヴァイオリンのソリストとして、特にイタリア・バロック作品の最も秀でた演奏者として最高の評価を受けているカルミニョーラ。ヴィヴァルディの楽曲再現において、世界最高水準の演奏と誰もが認めるコラボレーションで、日本では滅多に演奏されない珍しいヴァイオリン協奏曲の数々を演奏します。彼らか奏でる、美しく歌う旋律と明るい色彩感をどうぞお楽しみください。
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~カルミニョーラの右手の動きと弓の話~ |
“美しい右手” |
カルミニョーラが世界的に高い評価を受けている理由のひとつに、ボウイング(運弓法/弓使い)の素晴らしさがあります。英語で弓はbow、これにingが付いてbowingです。ヴァイオリンを美しく奏でる極意は、ボウイングにあると言われます。弦楽器を学ぶ人々にとって、理想的なボウイングを体得することはとても重要であり、右手首の動きにすべてがかかっていると言っても過言ではありません。
カルミニョーラが演奏するヴァイオリンはピリオド楽器(楽曲が作曲された当時の様式をもった楽器)ですから、弓もバロック・ボウを使用しています。アーチェリーや和弓のような形をしており、モダン・ヴァイオリン用の弓と比べると一目瞭然、ソリ方が逆であることに気付きます。持ち方もモダンの弓とは大きく異なります。モダン弓は、一番下の部分を掴んで演奏しますが、バロック弓は、下部分より5センチ程度上の部分(まさに棒しかない!?)を掴んで演奏します。最初、だれでも「これでは弾けるわけがない!」と感じるものです。
カルミニョーラがバロック・ヴァイオリンを弾き始めた当時、そのパフォーマンスは、欧州音楽界、特に古楽シーンにもの凄い衝撃を与えました。それまでの古楽奏法は、ヴァイオリン本体から弓をあまり離さず弾くのが一般的でした。見た目には、なでるような弾き方です。ところが、カルミニョーラはヴァイオリン本体と弓の距離を置く、つまり高い位置から右腕を振り下ろすように弾くのです。弓を持つ位置もさらに中央寄りです。このスタイルで楽器本体の指板(黒い部分)と駒の間に弓を確実にヒットさせるのはとても高い技術を必要とします。フォルテッシモでの激しいアタック、反対にピアニッシモでは羽毛のようにやわらかく弦に触れる技、このダイナミクス・コントロールは世界トップと言えます。ヴァイオリニスト誰でもが出来る技ではありません。
カルミニョーラの実演を初めてご覧になる方は、どうぞ、カルミニョーラの右手首をじっくり注視してください。もちろんカルミニョーラがヴァイオリンを弾く姿勢、そのからだ全体の所作のカッコよさを眺めるのも結構ですが、彼の右手首の動き、弓の返しに一時でも集中してみてください。そのしなやかさと言ったら…、もう溜息が出るほど美しいものです。
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“弓” |
古楽奏者が使用するバロック・ボウ(弓)の長さは、71.5センチ前後が一般的なのですが、カルミニョーラが使っている弓は、74.5センチもあります。バロック・ボウは特に先端部分に様々な形状があり、長さもいろいろです。タイプ別に作曲家の名前が付けられているものが多く、例えば、コレッリ・ボウ→64センチ程度の長さ、タルティーニ・ボウ→71~72センチ、といったぐあいです。タルティーニ・ボウが最もポピュラーで多くの演奏家が使用しています。古楽器の専門店に行くと、「カルミニョーラ・ボウ」という弓が商品化されています。現在活躍しているヴァイオリニストの名前が付いた弓があるなんて、とても凄いことのように思います。自らの名前が付いた弓を自在に操り、ヴィヴァルディを自分の音楽として表現するカルミニョーラの至芸。見ていて鳥肌が立つほどほれぼれするボウイング。世界中のどのヴァイオリニストよりも美しく、他者をまったく寄せ付けない凄みすら感じさせます。
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ユンディ・リ
[会 場] |
福岡シンフォニーホール | ||
[曲 目] |
ショパン:24の前奏曲 バラード1番~4番 |
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[入場料] |
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■聴きどころ |
5年に一度開催されるショパン国際ピアノコンクール、18歳で優勝し飛躍的に活躍を続けるユンディ・リ。2015年に開催される第17回コンクールでは、審査員として名を連ねることとなり話題となっています。
ユンディの卓越したテクニックと繊細なタッチは、ショパンの音楽を表現するうえで欠くことのできないものですが、この2015ツアーは待望のオール・ショパン・プログラムでの登場となります。
24の前奏曲はバッハの平均律クラヴィーア曲集から大きな影響を受けたと言われ、24の長短調すべての調性を駆使して作られた革新的な作品集です。それぞれは簡潔でありながら、全体を通してあらゆる感情を表現した、ショパンの魅力に富む作品です。
4つのバラードは、ショパンの独創的な作品で各々が魅惑的な物語に溢れています。
ショパンの魅力を存分に聴かせてくれるであろう、今シーズンの公演にどうぞご期待ください。
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