#10 西戸崎駅 JR九州 - アクロス福岡
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駅ジェニックふくおか

#10 西戸崎駅 JR九州

西戸崎駅 JR九州

昭和の雰囲気と対照的
ヨットがモチーフの
モダンな駅舎


西戸崎駅 JR九州

都会のローカル線の始発駅

西戸崎駅は、宇美駅(糟屋郡宇美町)を結ぶJR九州・香椎線の始発駅。香椎線の中で西戸崎駅-香椎駅は"海の中道線"の愛称がある。西戸崎駅の開業は1904年。糟屋炭田で採掘された石炭輸送のために建設された博多湾鉄道の石炭積出駅だった。現在は、1日41~42本の列車が発着。大半の列車は香椎駅と折り返し運転。午前中の1日6~8本が西戸崎駅-宇美駅を結んでいる。
利用客は通勤・通学客がほとんどで、その時間帯以外は、列車の発車時間が近づくと、数人の乗客を見かけるくらいだ。休日は多くの人でにぎわう国営・海の中道海浜公園やマリンワールドは、一つ先の海ノ中道駅が使われている。また、西戸崎駅のすぐ近くに、ベイサイドプレイス博多ふ頭を15分で結ぶ福岡市営渡船の乗り場があり、市中心部までは船を利用している乗客が多いようだ。
1988年に建て替えられた駅舎は、豪華列車「ななつ星 in 九州」などを手掛けた水戸岡鋭治氏デザインでヨットがモチーフ。駅舎内には展示スペースを兼ねた待合室が。ホームからは少しだけ、博多湾や対岸の市街地を望むことができる。その海側の空き地には"高層マンション建設予定地"の看板が立ち、数年もすると風景が一変するだろう。都心部から離れていることに加え、周辺が住宅地で無人駅ということも相まって、ローカル線の趣き。さらに、30年以上前から走り続けるディーゼルカー、駅舎内にあるダイヤル式の公衆電話は昭和の雰囲気があふれ、モダンな駅舎との対照が面白い。
福岡市東区の西端に位置する西戸崎地区は、玄界灘と博多湾からの風と潮流によってできた大砂嘴(さし)地帯だ。駅前からバスで10分ほど、志賀島は国宝の金印が出土したことで知られている。志賀島を結ぶ砂州・海の中道は、左に玄界灘、右に博多湾と雄大な景色が広がる。都会のローカル線に乗って、古代の歴史に触れ、海の絶景を見る小旅行もまたいい。

(文・写真 東 淳二郎)

西戸崎駅 JR九州

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