#18 貝塚駅/西日本鉄道・福岡市地下鉄
私鉄と地下鉄の乗換駅
相互乗り入れも
検討されている
都市計画で変貌する駅周辺
福岡市東区箱崎にある貝塚駅は、西鉄貝塚線と福岡市地下鉄箱崎線の駅。駅舎には東口と西口から出入りでき、いったん2階に上がりコンコースに降りることに。両駅の改札口は向かい合っていて、地下鉄側にはコンビニがある。西口を出ると、緑いっぱいの貝塚公園。交通ルールが学べる子供用ゴーカートのほか、静態保存されている大正生まれの蒸気機関車と初代ブルートレイン、旧式航空機が。駅南は九大箱崎キャンパス跡に接している。西鉄貝塚線は、貝塚-西鉄新宮11kmの路線。西鉄電車線では唯一、別の線区と繋がってない。貝塚駅は、1950年に宮地岳(みやじだけ)線の西鉄多々良駅として開業。その後、福岡市内線の路面電車延伸、廃線などがあり、1962年に貝塚駅に改称されている。2007年に宮地岳線は、新宮-宮地岳が廃止され、貝塚線と名称が変更となった。頭端式ホームは1面2線で、日中は2番線を使用。1日73~83本が発着し、電車は天神大牟田線ほかで使用していたものが流用されている。“猫の島”として人気の新宮町相島(あいのしま)の猫をモチーフにした、ラッピング電車「にゃん電」も運行中だ。貝塚駅を発車した電車は、福岡都市高速道路の下を通り抜け、1923年に架けられた名島橋で多々良川を渡り、香椎の町を越えて行く。新宮駅と22分で結んでいる。
一方、福岡市地下鉄の貝塚駅は、箱崎線の貝塚-中洲川端4.7kmが開通した1986年に開業。地下鉄では本駅と姪浜駅が地上駅だ。幅の広いホームは1面2線で、昼間は1番線が使われている。駅のシンボルマークは、駅名の“貝”をそのままデザイン化、巻貝の渦模様は交通の要衝を表現。現在、1日121~130本の地下鉄電車が発着していて、貝塚駅を出発すると、すぐに急勾配を下り地下に進入する。中洲川端駅まで約10分、天神駅と直行が12分で結んでいる。
ほとんどの乗客が貝塚駅で、西鉄と地下鉄を乗り換えていることから、両線に相互乗り入れする案も浮上している。乗り入れ可能な車両や地上設備など課題は多いが、将来実現すると利用客には朗報だ。九大移転後の跡地グラウンドデザインも発表され、貝塚駅は今後大きく変貌ことになるだろう。
(文・写真 東 淳二郎)
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