#22 福岡貨物ターミナル駅/JR貨物
生活に密着し
地球に優しい貨物列車
東京、札幌などへ発着
ドーム球場3倍超の広大な駅
福岡貨物ターミナル駅は、福岡市東区にある貨物列車の専用駅。鹿児島本線・千早駅から分岐する貨物列車専用線・博多臨港線の駅になる。博多臨港線は1998年まで、今の福岡サンパレス&ホールや福岡国際センター前を通り、福岡魚市場まで繋がっていた。貨物列車に乗車はできず、貨物駅にも関係者以外は入場禁止。コンテナ積載が主流の貨物列車の運行や貨物駅の運営など、日本貨物鉄道=JR貨物が行っている。福岡貨物ターミナル駅は1975年に開業。総面積はヤフオクドーム3.6倍の約25万㎡。最大長2km、最大幅250mの広さを持ち、東京貨物駅、札幌貨物駅に次ぐ、国内3番目の規模を誇る。市野範安駅長にお話を聞くと「駅の社員は56名。お客様の大切な荷物の取り扱いを最重要に、駅構内の安全意識を徹底させています」。貨物列車が発着する着発線が9線、積み降ろしを行う荷役ホームが5線、貨車留置線が14線。構内には、貨車やコンテナの検修庫があり、30~40フィートコンテナ用のトップリフター5機を含む計24機のフォークリフトが作業を行っている。
現在、1日24本の貨物列車が札幌、東京、名古屋、大阪に加え、東北や北陸、九州内と結んでいる。中でも、札幌便は約2,130kmを37時間かけて走るJRグループ最長距離列車だ。主な顧客は運送・運輸会社、ビールなど多種多様で、品目は食料品、石鹸、宅配便や郵便など生活に関連したものが中心。例えば、2月から夏にかけて佐賀産や鹿児島産のジャガイモが札幌へ。秋から北海道産ジャガイモや玉葱が福岡貨物ターミナルに運ばれてくる。福岡県内では、鹿児島・日豊本線、博多臨港線のほか、山陽本線の関門トンネル-門司駅のみの運行なので、実際に貨物列車を見たことがない人も多いだろうが、日々の暮らしに大きく結びついている。さらに、大量輸送ができる貨物列車は、CO2の排出量がトラックに比べ約11分の1と環境に優しい。災害時の石油や物資輸送でも社会に貢献している。
1300トン、26両編成・500m以上に及ぶ長大な貨物列車を、愛称“金太郎”の力持ち機関車がけん引して、今日も明日も福岡貨物ターミナルを行き来する。
(文・写真 東 淳二郎)
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