英彦山を源流とする今川を挟んで肥大な平野が広がっている行橋・京都(みやこ)地域では100年ほど前からイチジクが栽培されている。昨年から本格出荷された「とよみつひめ」というブランド品種があるのをご存じだろうか。行橋市豊前町の(豊：とよ)と甘い(蜜：みつ)から命名されたイチジクだ。大きさは意外と大きく卵の1・5倍くらいで赤くまるい形をしている。二つに割ってスプーンですくって食べると、その名のとおり甘くとろりとした果肉である。完熟メロンの糖度が15〜16度であるが、「とよみつひめ」の平均糖度は17度以上になりその甘さが特徴だ。また、甘いだけでなくほどよい酸味もあり、そのうえ、カルシウムや食物繊維が豊富で健康にも美容にもよい。

県内で最初に栽培を始めた天生田(あもうだ)営農組合では、8月中旬から収穫がはじまる。「とよみつひめ」は東京などの市場に出るものが多いが、この地域のJA直売所で買い求めることができる。また、ここでは農業感謝祭の時だけイチジク狩りを体験することができる。

自然の恵みをたっぷり受けて育った「とよみつひめ」を一度食してみてはいかがだろうか。