JR小倉駅から車で30分ほど行くと、近代的なビルが立ち並ぶ景色が徐々に山の景色へと変化し、北九州市が誇るブランドたけのこの産地、合馬(おうま)地区へ到着する。

北九州市は全国の自治体でも最大級の竹林面積1,400ヘクタールを誇り、中でも合馬地区のたけのこは京都や大阪の料亭向けに出荷される高級食材だ。たけのこと言えば竹林に自然に生えているように思われがちだが、合馬地区では上質な粘土質の赤土を敷き詰める客度(きゃくど)という作業を行い、油粕や有機肥料などを使用して手間ひまかけた管理を行う事によって良質なたけのこの生産を維持している。

シャキシャキとした歯触りでアクが少なく柔らかな合馬たけのこは、主に煮つけや炊き込みご飯、天ぷらなどで食されるが、新鮮なものであれば生でも食べられる。

また、3月中旬から5月初旬まではたけのこ園でたけのこ掘りができるので、挑戦してみてはいかがだろう。山の斜面からほんの少し出ているたけのこの先端を見つけ出し、くわで傷付けないように掘り起こす。これがなかなか思うように掘れないのだが、地元のたけのこ掘りの名人はいとも簡単に掘り出してしまうから不思議だ。