船小屋鉱泉場とがたがた橋〜筑後市〜 - 風景ふくおか - アクロス福岡
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風景ふくおか

船小屋鉱泉場とがたがた橋
〜筑後市〜

船小屋鉱泉場 県内外から、この鉱泉をくみに訪れる。手前に見えるのが湧き水「雀地獄」。
船小屋温泉の地名は、元禄期に護岸工事用の石船の収納小屋があったことに由来する。この温泉郷は明治19(1886)年に鉱泉開発されてから100年以上の歴史をもつ。昭和初期までは県南唯一の温泉地として、県内はもちろん佐賀、熊本からも多くの来客があったという。

船小屋鉱泉場は、この温泉郷の中心部に位置する。レトロ調の建物で、一説では日本一鉄分が多いと言われる鉱泉を無料でくむことができる。
鉱泉場から矢部川に向かって小径が延び、川畔に通じた先に観光橋、通称「がたがた橋」がかかっていた。この橋は、矢部川を渡り、国の天然記念物に指定されている樟林が緑深く茂る中ノ島公園に通じており、温泉街からの散策コースを形成していた。

このがたがた橋は昭和38(1963)年に作られた。橋脚の上に鉄のロープでつながれた木製の橋が乗るというもので、矢部川の水位がこの橋より高くなると、浮き上がって川の両岸に分かれ、川の水位が戻ったらまたかけなおすという原始的な橋である。

ところが、平成19(2007)年7月初旬の大雨により、橋脚が水流によって倒れてしまった。現在は倒れたものも含め、そのまま橋脚が露出しているだけの状態となっており、渡ることはできない。
このがたがた橋がなくとも、対岸の中ノ島公園には、すぐ近くを渡る「船小屋温泉大橋」を経由すれば5分もかからずに渡れるのであるが、やはり、矢部川の水面近くを渡るという親水性の高さと、木製の橋ならではの、がたがたと音をさせながら渡る情緒があり、その小さな橋の存在感は、この温泉郷では非常に大きなものであった。

現在、筑後市を中心として再建に向けて検討しているとのとこであるが、逆を言えば、橋のかかっていない橋脚がそのままになっているという、この風景を見ることができるのは、今だけである。

「がたがた橋」の橋脚。
▲「がたがた橋」の橋脚。
流されて倒れた橋脚がそのまま残っている。

  • お問い合わせ

    筑後市観光協会
    TEL:0942-53-4229
    筑後市商工観光課
    TEL:0942-53-4111
  • お知らせ

    熊野神社追儺祭(ついなさい)
    会期:2008年1月5日(土)
    燃えさかる3本の大たいまつによる豪壮な火祭り。福岡県無形民族文化財。

  • 絵  ほあし・よしゆき
    自然の風景に関心が薄く、人間の創った[物]に対して濃い。人の[営み]の象徴としての[街角]を多く描く。営みの延長としての[食べ物]にも執着心が強く、食べ・描き・造る・・・事にも熱心。その故もあって・・・糖尿。