#2 ステップガーデンの秘密① - アクロス福岡
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探検!アクロス福岡

#2 ステップガーデンの秘密①

ステップガーデンの秘密①

“ただの人工ガーデンでは
ないんです”


いつも見ている建物だけど、実は意外と知らないことだらけ。
そんな「アクロス福岡」の、一歩踏み込んだ“秘密”をご紹介する「探検!アクロス福岡」。
第2回目は、「ステップガーデンの秘密①」です。

まるで映画のワンシーンのように、天神の中心にそびえる「ステップガーデン」。春になると、天神中央公園のグリーンと一体化し、都心を行き交う人々の心を癒やしてくれます。その姿が別名「アクロス山」とも呼ばれている「ステップガーデン」。実は、単に人工の建物に植えられた「植木」ではないのです。

まず、特筆すべきはステップガーデンに使用されている土。一度ステップガーデンに登ってみてください。一見すると普通の土にしか見えませんが、「アクアソイル」という「人工土壌」を使用しているんです。その成分は、真珠岩といわれる岩石。屋根の上に敷くため、できるだけ軽く、また保水性にすぐれたものを、ということでこの土壌が選ばれました。この「アクアソイル」を用いると、通常の根っこが毛細状になるので、土に摩擦がかかり、たった50センチの土の厚さでも、しっかりと植物を支えることができるという優れものです。また、ある程度のところで根の成長が止まるので、どこまでも伸び続けて建物を傷めるといったこともありません。保水力が高いうえに風にも強いので、屋上の緑化にはぴったりの土壌なのです。

また、この仕組みは雨水の排水システムとしても効果的です。植物へ行き届いたあとの水は、アクアソイルの下に敷かれた管の中を通り、下層に数日かけて落ちていきます。植物への恵みの水から始まり、最終的には1階の植栽や池に達し、強雨時には薬院新川に放水されるという、まさにエコロジーな環境に配慮されたシステムとして機能してきました。

遠くから眺めても、登ってみても発見の多いステップガーデン。その魅力を体感するならこの春がオススメです。そしてまだまだ続く秘密にも乞うご期待。

(取材・文 後藤暢子)