#3 匠ギャラリーの福岡匠地図
大川組子の
ターニングポイントだった!
いつも見ている建物だけど、実は意外と知らないことだらけ。そんな「アクロス福岡」の、一歩踏み込んだ“秘密”をご紹介する「探検!アクロス福岡」。第3回目は、「匠ギャラリーの福岡匠地図」です。
アクロス2階の「匠ギャラリー」の入口に佇む福岡県の地図。皆さん、じっくりご覧になったことはありますか?この「福岡匠地図」の素材は「大川組子」。今でこそ福岡が誇る全国区の伝統工芸技術ですが、21年前の当時、この試みはとても画期的でした。
担当された角建具製作所の角(すみ)義行さんは、平成3年に福岡県版「現代の名工」にも選ばれている大川組子の職人です。当時、大川振興センターが大川家具や大川組子をもっと活かしてもらいたいと行っていたプロモーションがアクロスの内装工事業者のアイデアと合致し、お声がかかった角さん。高校時代から建具の道に進むことを決め、しかも一品完結でこの世に二つと同じ製品がないというオリジナリティーにこだわっていた角さんですが、かつてない大きな仕事に最初は戸惑ったそうです。
「組子というのは基本的に装飾の一部として活かされることがほとんどですので、福岡匠地図を組子だけですべて表現するというオーダーには驚きました。小さな正三角形を組み合わせていきますので、どこかがほんの少し狂っただけで、全体のバランスがとれなくなります。また、湿度や温度などでも木は変形しますので、非常に神経を使いました。福岡県と他県で色を変えていますが、これもそれまではせいぜい1メートル幅ほどのサイズのものしか製作したことがありませんでしたので、ここまで広い面で同じ木の色を保てるのか、頭の中のイメージ通りにいくかどうかでヒヤヒヤしながらの製作でした」(角さん)。
細やかな作業の積み重ねで生まれた、究極の伝統工芸。ぜひ近くでその匠の技を実感してみてください。
担当された角建具製作所の角(すみ)義行さんは、平成3年に福岡県版「現代の名工」にも選ばれている大川組子の職人です。当時、大川振興センターが大川家具や大川組子をもっと活かしてもらいたいと行っていたプロモーションがアクロスの内装工事業者のアイデアと合致し、お声がかかった角さん。高校時代から建具の道に進むことを決め、しかも一品完結でこの世に二つと同じ製品がないというオリジナリティーにこだわっていた角さんですが、かつてない大きな仕事に最初は戸惑ったそうです。
「組子というのは基本的に装飾の一部として活かされることがほとんどですので、福岡匠地図を組子だけですべて表現するというオーダーには驚きました。小さな正三角形を組み合わせていきますので、どこかがほんの少し狂っただけで、全体のバランスがとれなくなります。また、湿度や温度などでも木は変形しますので、非常に神経を使いました。福岡県と他県で色を変えていますが、これもそれまではせいぜい1メートル幅ほどのサイズのものしか製作したことがありませんでしたので、ここまで広い面で同じ木の色を保てるのか、頭の中のイメージ通りにいくかどうかでヒヤヒヤしながらの製作でした」(角さん)。
細やかな作業の積み重ねで生まれた、究極の伝統工芸。ぜひ近くでその匠の技を実感してみてください。
(取材・文 後藤暢子)
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匠ギャラリーの中にある、これはなんでしょう!?
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知っていますか? 【アクロス豆知識】
匠ギャラリーでは、福岡県の国指定7産地の伝統工芸品と、県指定31品目の民工芸品(4月20日現在)をいつでもご覧いただけるよう常設で展示するほか、民工芸品作家による企画展を週替わりで開催しており、制作実演や体験をお楽しみいただけます。また、小学生を対象とした社会科見学も随時受け付けています。
お問い合わせ/文化観光情報ひろば(TEL:092-725-9100)