#13 スターゲイトの秘密
数値ではなく
感性で感じ取る
アクロスの往来
いつも見ている建物だけど、実は意外と知らないことだらけ。そんな「アクロス福岡」の、一歩踏み込んだ“秘密”をご紹介する「探検!アクロス福岡」。第13回目は、「スターゲイトの秘密」です。
明治通り沿いのアクロス福岡正面玄関前に建つ真っ赤な彫刻。久留米市出身で長野冬季五輪の聖火台などを手がけられた情報彫刻家・菊竹清文(きよゆき)さんの作品「スターゲイト」です。菊竹さんは、理工学部在学中に、エンジニアとして最先端の技術を研究されました。そして、その技術を人々の感性に届けるために、アートの世界へ進まれたそうです。そんな菊竹さんは、この「スターゲイト」の制作当時から、変わらぬ想いを抱いています。
「都会で生活をしていると、冷暖房が完備され、体感的に不自由がなくなる一方、季節感や自然を感じることがどんどん減っていると当時から思っていました。環境や自然について、頭で考えるのではなく感性で感じてもらえるものを“新しい技術の新しい文化”として築いていきたいと思い、活動してきました」
菊竹さんの彫刻が「情報彫刻」と呼ばれる理由はここにあります。実はこの「スターゲイト」、スターの真ん中の二つの円盤が、アクロス館内の人の動きに合わせて回転する仕組みになっています。具体的な数値ではなく、「あ、いま館内で人がたくさん動いているな。シンフォニーホールでコンサートだったのかしら?」といった、知覚的に情報を教えてくれるアート。一度、ちょっと立ち止まって見てみては?
「都会で生活をしていると、冷暖房が完備され、体感的に不自由がなくなる一方、季節感や自然を感じることがどんどん減っていると当時から思っていました。環境や自然について、頭で考えるのではなく感性で感じてもらえるものを“新しい技術の新しい文化”として築いていきたいと思い、活動してきました」
菊竹さんの彫刻が「情報彫刻」と呼ばれる理由はここにあります。実はこの「スターゲイト」、スターの真ん中の二つの円盤が、アクロス館内の人の動きに合わせて回転する仕組みになっています。具体的な数値ではなく、「あ、いま館内で人がたくさん動いているな。シンフォニーホールでコンサートだったのかしら?」といった、知覚的に情報を教えてくれるアート。一度、ちょっと立ち止まって見てみては?
(取材・文 後藤暢子)
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立ち止まって見てみよう!秘密のアクロス「スターゲイト」には、アクロス福岡からアジア、世界、宇宙、そして未来へとコミュニケーションが大きく広がっていくことを願う意味もこめられています。まだ「インターネット」という言葉のなかった時代から、世界とのコミュニケーションを知覚的につなぐ彫刻を手がけられてきた菊竹さんの想いがつまっています。近づいて見てみると、カーブのかかった回転盤から、何かを発信しているようにも見えませんか?
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菊竹清文さんからのメッセージ「都市」「建物」「人」が呼応し、感性を刺激する“スターゲイト”。都市の中で孤独を感じるのではなく、人とのつながりを取り戻して欲しいと願い、地域の象徴的な文化施設アクロス福岡の正面玄関にこれを置きました。
成熟社会における公共空間の新たな可能性を表現できたのではと考えています。