#20 福岡シンフォニーホールのステンドグラス
約100年の時を経て
アートな空間を優しく彩る
旧庁舎のステンドグラスたち
いつも見ている建物だけど、実は意外と知らないことだらけ。そんな「アクロス福岡」の、一歩踏み込んだ“秘密”をご紹介する「探検!アクロス福岡」。第20回目は、「福岡シンフォニーホールのステンドグラス」です。
アクロス福岡の住所は「福岡市中央区天神1丁目1番地1号」。福岡県庁の跡地に建てられたことはこのシリーズの第1回目にご紹介しました。福岡県庁が天神に置かれたのは明治9年。その後明治の末から3年ほどかかって新築され、大正4年に旧庁舎が竣工したそうです。
さて、この大正時代の建物、いったいどんなデザインだったのでしょうか。資料によると、「3階煉瓦造り、白亜造りの……、九州にまれな最新式建築」「薔薇模様を表したステンドグラスは……光線を通して見ゆる色彩はまことに見事」(福岡日日新聞)と報じられているようですが、実は当時の旧庁舎の保存物が、アクロス福岡の敷地内に残っています。今回ご紹介するのはその中でも特に目立つ、写真のステンドグラス。福岡シンフォニーホールのロビー中央から真上を見上げたアングルにある天窓です。
このステンドグラスの天窓は旧庁舎の階段室の天井にあった古いステンドグラスと新作のステンドグラスの混成品で、作者はアトリエマツダのステンドグラス作家・松田日出雄さん。このステンドグラスを透過して注がれる柔らかな光は、複雑な断面を持つホワイエに映し出され、独特の雰囲気を演出しています。ホール入口前に広がるアトリウムのデザインモチーフを踏襲しながらも、さらに音楽鑑賞という「非日常空間」へのプロローグとして、エントランス(エントランスについては下の段にてご紹介しています)からこのロビーのステンドグラスにかけて、アートな空気感を醸し出す役目が与えられています。当時新聞でも絶賛された薔薇模様のステンドグラスが、100年の時を経た今も訪れる人々を優しく照らしてくれる福岡シンフォニーホール。ぜひ一度、ステンドグラスを見上げてみてくださいね。
さて、この大正時代の建物、いったいどんなデザインだったのでしょうか。資料によると、「3階煉瓦造り、白亜造りの……、九州にまれな最新式建築」「薔薇模様を表したステンドグラスは……光線を通して見ゆる色彩はまことに見事」(福岡日日新聞)と報じられているようですが、実は当時の旧庁舎の保存物が、アクロス福岡の敷地内に残っています。今回ご紹介するのはその中でも特に目立つ、写真のステンドグラス。福岡シンフォニーホールのロビー中央から真上を見上げたアングルにある天窓です。
このステンドグラスの天窓は旧庁舎の階段室の天井にあった古いステンドグラスと新作のステンドグラスの混成品で、作者はアトリエマツダのステンドグラス作家・松田日出雄さん。このステンドグラスを透過して注がれる柔らかな光は、複雑な断面を持つホワイエに映し出され、独特の雰囲気を演出しています。ホール入口前に広がるアトリウムのデザインモチーフを踏襲しながらも、さらに音楽鑑賞という「非日常空間」へのプロローグとして、エントランス(エントランスについては下の段にてご紹介しています)からこのロビーのステンドグラスにかけて、アートな空気感を醸し出す役目が与えられています。当時新聞でも絶賛された薔薇模様のステンドグラスが、100年の時を経た今も訪れる人々を優しく照らしてくれる福岡シンフォニーホール。ぜひ一度、ステンドグラスを見上げてみてくださいね。
(取材・文 後藤暢子/写真 松本創)
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まだまだあります、旧県庁のステンドグラス福岡シンフォニーホールには、ほかにも旧県庁のステンドグラスが使用されている場所があります。それは、ホールのエントランス正面にあるツインコラムの上部にある大理石の壁面にはめこまれています。旧県庁庁舎のドア上部にあった半円形のステンドグラス2枚を合わせた通称「バラ窓」です。訪れた際はチケットのもぎりで通りすぎてしまいそうですが、機会があれば一度立ち止まって見てみてください。
ちなみにこのツインコラムも旧県庁庁舎のもの。天神中央公園にも残っていますが、こうして館内のオブジェにもなっているんですよ。まるで最初から円形になるように作られていたかのような収まり具合の「バラ窓」。(写真左)
ツインコラムとバラ窓が飾られている場所は、福岡シンフォニーホールのエントランス正面から入ってすぐの右手です。(写真右)