#23 ステップガーデンの秘密⑥ - アクロス福岡
Language 検索
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • Twitter

探検!アクロス福岡

#23 ステップガーデンの秘密⑥

ステップガーデンの秘密

ステップガーデンの
生態系に近い環境は
こうして守られています。


いつも見ている建物だけど、実は意外と知らないことだらけ。そんな「アクロス福岡」の、一歩踏み込んだ“秘密”をご紹介する「探検!アクロス福岡」。第23回目は、「ステップガーデンの秘密⑥」です。

屋上緑化を特徴とし、開館当初76種3万7千本でスタートしたステップガーデンの樹木は、現在では120種5万本にまで成長しました。当時は外来種も多く見られたのですが、少しずつ九州ゆかりの植物たちへと移行。この計画は開館当初からの植栽計画に基づいています。監修は(株)プランタゴの田瀬理夫(たせみちお)さん。「植えられている木が少ないじゃないか!」と開館当初に厳しいお声も頂いたそうですが、苗木の段階からしっかりと育成し、山として成長させることがコンセプトであったため、大事に大切に維持されてきました。当時の写真を見ると、植え込みが等間隔で並んでおり、コンクリートや手すりがはっきり見える建物然とした佇まいであったことに驚くほどです。

限りなく生態系に近い環境で植物やそこに集まる動物たちの生活を見守ってきたため、野鳥が運んできたビワやクスなど、「なぜこんな木がここに?」と思うものも成長しています。また、おもしろい植物として、外来種ではありますがそのまま残しているものに、ローズマリーなどがあります。近くで香りを嗅いでみるととても良い香りがします。ぜひ探してみてください。

開館当初からこの植栽計画に基づいて作業しているのは内山緑地建設(株)。工事課長の和智(わち)さんにお話を伺いました。「月に1週間から10日ほど、作業に入っています。伸びすぎた草を刈ったり、落葉樹に陽が当たるように常緑樹の剪定(せんてい)をしています。たまにお向かいの済生会福岡総合病院に入院されていた方が、退院後に登ってこられるのですが、『病室から眺めていて、退院したら絶対登ろうと思っていたの』と嬉しそうにおっしゃる姿に私たちも嬉しくなります」。眺めても登っても楽しいアクロス山。あなたも登ってみませんか。
(取材・文・写真 後藤暢子)