杷木五月節句幟 〜
手染めならではの鮮やかな色彩が自慢
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▲大きいものでは、幅90cm・長さ8mにも及ぶ
冷たく澄んだ水にさらすほど、鮮やかに発色する染め物。筑後川流域に位置する朝倉市・杷木では、その豊かな水を活かし、杷木五月節句幟が作られています。そもそも節句幟は、江戸時代に神を招く「招きしろ」として鯉のぼりと一緒に飾られたのが始まり。別名「武者幟(むしゃのぼり)」とも呼ばれ、主に源義経や豊臣秀吉、加藤清正といった乱世の武者たちが描かれています。杷木五月節句幟の特徴は、この武者が引き立つ鮮やかな色彩です。
一つひとつ手染めしては天日で干し、また染めては干し…という作業を繰り返し、川から引いた冷水にさらす。この地道な行程があるからこそ、くすみのない澄んだ色味が生ま干しをします。また、武者鎧の部分などに多く見られる「ぼかし」の技法は、1本の刷毛を駆使して色を変化させる繊細な技。機械染めでは真似できない染め方です。人物の顔を染める桃色のぼかしは、色が薄くぼかし方も複雑なため、難易度が高いと言われます。そして、そのぼかしよりもさらに難しいのが、武者の「顔絵描き」。幟に命を吹き込む、最も細やかで神経を使う作業です。これら一連の作業を表裏両方に行うため、1本仕上げるのに最低2週間はかかります。手間隙かけて作られた幟は色落ちしにくく、鮮明な色のまま代々受け継ぐことができると評判です。
細部までこだわった質の良さと「杷木五月節句幟」というブランド力を武器に、人々から愛され続けている節句幟。最近は、賃貸住宅のベランダでも使えるミニサイズのものや、掛け軸などとしても活用できるものも作り始めました。現代のニーズに対応しつつ、昔ながらの伝統と「元気で勇気ある男の子に育つように」という子への思いを守り続けています。
一つひとつ手染めしては天日で干し、また染めては干し…という作業を繰り返し、川から引いた冷水にさらす。この地道な行程があるからこそ、くすみのない澄んだ色味が生ま干しをします。また、武者鎧の部分などに多く見られる「ぼかし」の技法は、1本の刷毛を駆使して色を変化させる繊細な技。機械染めでは真似できない染め方です。人物の顔を染める桃色のぼかしは、色が薄くぼかし方も複雑なため、難易度が高いと言われます。そして、そのぼかしよりもさらに難しいのが、武者の「顔絵描き」。幟に命を吹き込む、最も細やかで神経を使う作業です。これら一連の作業を表裏両方に行うため、1本仕上げるのに最低2週間はかかります。手間隙かけて作られた幟は色落ちしにくく、鮮明な色のまま代々受け継ぐことができると評判です。
細部までこだわった質の良さと「杷木五月節句幟」というブランド力を武器に、人々から愛され続けている節句幟。最近は、賃貸住宅のベランダでも使えるミニサイズのものや、掛け軸などとしても活用できるものも作り始めました。現代のニーズに対応しつつ、昔ながらの伝統と「元気で勇気ある男の子に育つように」という子への思いを守り続けています。
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問い合わせ先・見学先
米山染工場
小学校の生徒たちに、毎年3日間の体験学習を実施。
晴天の下、いくつもの幟が天日干しされる景色は圧巻です。
朝倉市杷木池田267-1
TEL:0946-62-0340
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▲昔は和紙に図柄を描いて見本を作り、営業をしていた
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▲全神経を集中して、輪郭や目を書き入れる
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▲のりを塗る際の型は、専門の技師へ依頼
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▲色の境目にのりで線を引き、にじみを防ぐ
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▲川の冷水で、手洗いしてのりを落とす
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▲掛け軸サイズでも、その迫力と細やかなぼかしは健在