久留米籃胎漆器 〜
竹細工と漆器、二つの職人技を継承
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▲若者にも親しみやすいデザインも増えている
籃胎漆器(らんたいしっき)とは、木ではなく、竹かご=「籃」で作られた漆器のこと。竹細工の爽やかさと親しみやすさに、漆器の趣あるツヤと高級感が調和した県指定伝統工芸品です。江戸後期に久留米藩へ招かれた京都の塗物師が、元となる「久留米藩漆塗り」を考案したのが始まりと言われています。筑後川の水路を利用し、九州の良質な竹を取り寄せて作られました。現在、国産の竹を使用した籃胎漆器を製造しているのはわずか2社のみとなっています。
籃胎漆器の製造行程は、大きく「編み」「下地」「塗り」「研ぎ出し」の4つに分けられます。なかでも、特に慎重さが求められるのが竹ひごを編んで形を作る「編み」と、漆を塗る前の表面処理である「下地」の行程。均一の太さ・薄さになるよう竹ひごを作ったり、凹凸や穴の多い表面に砥の粉を隙間なく塗ったりするには、熟練の技が欠かせません。その後、漆の美しいツヤを出すため、漆を何度も塗っては磨き、塗っては磨きをくり返します。籃胎漆器の特徴であるまだら模様は、この磨きの作業でできるもの。漆を塗った竹かごをやすりで研磨することで、竹の編み目に沿って部分的に漆が剥がれ、下色が表面に浮かび上がることで生まれます。磨きすぎると下色まで剥がれてしまうので、力加減が難しく、また全体を均等な力で磨くのも高度な技術が必要です。
高級感溢れるツヤが人気の漆ですが、熱に弱いのが難点。そこで、近年では熱に強いウレタン系塗料を代用し、美しいツヤと利便性を兼ね備えた製品を生み出しています。また、洋食にも使える白の食器や、ラメ加工を施したアクセサリーなど、現代の生活空間に合う新しい漆器も増えてきました。久留米籃胎漆器には、受け継がれてきた伝統と、時代に合った進化が共存していると言えるでしょう。
籃胎漆器の製造行程は、大きく「編み」「下地」「塗り」「研ぎ出し」の4つに分けられます。なかでも、特に慎重さが求められるのが竹ひごを編んで形を作る「編み」と、漆を塗る前の表面処理である「下地」の行程。均一の太さ・薄さになるよう竹ひごを作ったり、凹凸や穴の多い表面に砥の粉を隙間なく塗ったりするには、熟練の技が欠かせません。その後、漆の美しいツヤを出すため、漆を何度も塗っては磨き、塗っては磨きをくり返します。籃胎漆器の特徴であるまだら模様は、この磨きの作業でできるもの。漆を塗った竹かごをやすりで研磨することで、竹の編み目に沿って部分的に漆が剥がれ、下色が表面に浮かび上がることで生まれます。磨きすぎると下色まで剥がれてしまうので、力加減が難しく、また全体を均等な力で磨くのも高度な技術が必要です。
高級感溢れるツヤが人気の漆ですが、熱に弱いのが難点。そこで、近年では熱に強いウレタン系塗料を代用し、美しいツヤと利便性を兼ね備えた製品を生み出しています。また、洋食にも使える白の食器や、ラメ加工を施したアクセサリーなど、現代の生活空間に合う新しい漆器も増えてきました。久留米籃胎漆器には、受け継がれてきた伝統と、時代に合った進化が共存していると言えるでしょう。
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問い合わせ先・見学先
末吉籃胎漆器製作所
九州産の真竹のみを使用した籃胎漆器を製造・販売。毎年、近隣の小学校で体験学習を行うほか、体験会も受け付けています(要予約)
久留米市原古賀町29-13
TEL:0942-32-2669 http://sueyoshirantai.nomaki.jp
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▲竹を均等な厚さに削って竹ひごに
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▲竹がばらばらにならないように固定する
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▲まだら模様の元となる下地を塗る
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▲絶妙な力加減を要する「研ぎ出し」