八女石灯籠 〜
月日が経つほど深まる和の風情
日本庭園に風情を添える石灯籠。八女市内をはじめ、熊本県の植木・山鹿、大分県の臼杵など、近くに石の採掘場が多い八女地域は、全国有数の石灯籠の産地です。発祥は300年以上前、江戸時代にまでさかのぼります。その後、明治時代に石橋の建設技術が伝わったのをきっかけに、その加工技術を生かした和の風情溢れる石灯籠が次々と生み出され、現代まで愛され続けてきました。
石灯籠の製造行程は、採掘場から届いた岩を適度な大きさに割り、石ノミで削って部品を作り組み立てる…と、いたってシンプルですが、その技術はとても高度。石の裁断と仕上げの研磨以外は手作業によるものです。何種類もの石ノミやチッパと呼ばれる小ベラを駆使し、春日型や自然五重型といった灯籠形のものから、岩肌の荒い削り目を生かした自然木型など、趣の異なる約30種類の灯籠を作ります。使用する石は『凝灰石』といい、阿蘇の火山灰が固まってできたもの。柔らかいので、加工には微妙な力加減が必要です。石灯籠の趣深い美しさは、この柔らかい石を繊細かつ表情豊かに彫る職人の腕によって守られています。また、凝灰石は吸水性に優れているため、苔つきが早いのが特徴。月日を経るごとに深まる苔が凝灰石の灰色に映え、その落ち着いた佇まいが人気の秘密にもなっています。
昭和30年代の園芸ブーム時には70〜100軒もあった製造所ですが、ガーデニングブームや安価な輸入物の影響で、今では20軒ほどに減少。そこで、現代の生活環境に合わせた照明などの製造も始まっています。また、海外の若者たちの研修も積極的に受け入れるなど、グローバルな活動も展開。日本庭園の美を支えてきた石灯籠の伝統が、形を変えながら海外で見られる日も、そう遠くないかも知れません。
石灯籠の製造行程は、採掘場から届いた岩を適度な大きさに割り、石ノミで削って部品を作り組み立てる…と、いたってシンプルですが、その技術はとても高度。石の裁断と仕上げの研磨以外は手作業によるものです。何種類もの石ノミやチッパと呼ばれる小ベラを駆使し、春日型や自然五重型といった灯籠形のものから、岩肌の荒い削り目を生かした自然木型など、趣の異なる約30種類の灯籠を作ります。使用する石は『凝灰石』といい、阿蘇の火山灰が固まってできたもの。柔らかいので、加工には微妙な力加減が必要です。石灯籠の趣深い美しさは、この柔らかい石を繊細かつ表情豊かに彫る職人の腕によって守られています。また、凝灰石は吸水性に優れているため、苔つきが早いのが特徴。月日を経るごとに深まる苔が凝灰石の灰色に映え、その落ち着いた佇まいが人気の秘密にもなっています。
昭和30年代の園芸ブーム時には70〜100軒もあった製造所ですが、ガーデニングブームや安価な輸入物の影響で、今では20軒ほどに減少。そこで、現代の生活環境に合わせた照明などの製造も始まっています。また、海外の若者たちの研修も積極的に受け入れるなど、グローバルな活動も展開。日本庭園の美を支えてきた石灯籠の伝統が、形を変えながら海外で見られる日も、そう遠くないかも知れません。
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問い合わせ先・見学先
八女石灯籠協同組合
八女市長野
TEL:0943-22-5311
八女伝統工芸館
八女市本町2-123-2
TEL:0943-22-3131
八女伝統工芸館では、日本一大きな石灯籠をはじめ、さまざまな型の石灯籠を展示しています。
▲大小さまざまな岩を加工して製作
▲チッパや杭、ハンマーなどを用いる
▲つるはしで岩を割る作業からスタート
▲八女伝統工芸館には石水車も展示