柳川神棚 〜 家と伝統を守る神棚 - 伝統の技 - アクロス福岡
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伝統の技

柳川神棚 〜 
家と伝統を守る神棚

福岡県指定特産工芸品の太宰府型
▲福岡県指定特産工芸品の太宰府型
九州唯一の神棚産地として、山口県以西の神棚を一手に引き受けてきた『柳川神棚』。良質のヒノキが採れる大川や日田、阿蘇が近いこともあり、昔から神棚製作が盛んで、その興りははっきりとはされていませんが、少なくとも明治初期には作られていたと言われます。

仏壇と違って表面に何も塗らないため、材料そのものの質が作品の出来を左右する神棚。製造は、まず材料のヒノキを選ぶところから始まります。「素材選びが何より重要。産地などによって、色やしなやかさが違うんです。色が白くツヤがあり、木目の細かいものが理想ですね。」と話してくれたのは、古賀神棚店の2代目神具師・古賀國昭さん。そうして選んだヒノキを乾燥させ、扉や屋根などの部品を作って組み立てます。神棚には大きく分けて伊勢型・太宰府型・出雲型の3種類があり、柳川神棚の代表的な型は全国でも珍しい太宰府型。屋根の正面を飾る緩やかなブーメラン型の「唐破風(からはふ)」と、細やかな格子のついた障子扉が特徴です。表面の仕上げには、よりツヤを出すためにカンナを使います。ほとんどの工程を作業場で行うのですが、作業場には驚くほど多くのカンナが。一つの神棚に使う20~30個の部品や、大小さまざまなサイズに対応するため、時には、オリジナルの道具を作ることもあるのだそうです。

九州では、新築時や家主の代替わりの際に新調することが多い神棚。「神棚は、家を守るご神体を収めるもの。家族を守りたいという家主の想いを大切にしながら、丁寧に作るようにしています。」と古賀さんは語ります。生活環境が目まぐるしく変わる中、昔から変わらず残る日本の神道文化を、柳川神棚は脈々と受け継いでいると言えるでしょう。

  • 問い合わせ先・見学先
    柳川神棚組合
    古賀さんの遊び心から生まれた「宝くじ専用神棚」は、よく当たると評判に。
    また、2m以下の屋外用の祭壇や、神輿なども製作しています。
    柳川市横山町10 
    TEL:0944-72-4461
カンナをはじめさまざまな道具が
▲カンナをはじめさまざまな道具が
先代から受け継いだ型で各部品を製作
▲先代から受け継いだ型で各部品を製作
細分化された部品ごとに作り上げる
▲細分化された部品ごとに作り上げる
図面なしで組み立てるのも熟練の技
▲図面なしで組み立てるのも熟練の技
障子や飾りなど、細かな技が光る
▲障子や飾りなど、細かな技が光る