八女手漉和紙 〜
職人の勘が冴える手作り和紙
メディアの発達により、徐々に紙の需要が少なくなっている現代。そのなかでも、より少なくなった手漉きの技を守っているのが、九州最古の和紙『八女手漉和紙』です。その興りは1590年代、和紙づくりが盛んだった越前国(今の福井県)の僧・日源上人が、八女を訪れたのがきっかけ。和紙の原料となる楮が自生していたこと、そして和紙づくりに欠かせない水が矢部川で調達できることから、八女を和紙づくりに適した地と判断し、技術を伝承したと言われています。
通常の和紙に比べ、強度が高いと評判の『八女手漉和紙』。その秘密は、原料の楮にあります。八女手漉和紙に使われる九州産の楮は、通常の楮よりも繊維が長く繊維同士がしっかりと絡むので、より強い和紙をつくるのです。また、八女手漉和紙の製造過程において、最も難しいのが漉きの作業。季節や気温・湿度はもちろん、1回も漉いていない原液と、100回、200回と漉いた後の原液とでは濃度が全く異なります。そのため、紙の厚さや繊維の密度を均一にするには、非常に繊細な感覚が必要です。八女手すき和紙組合の松尾茂幸さんは、「目と肌、漉く時の力加減によって、その時の原液の状態を確かめながら漉いていきます。1回漉くごとに環境が変わるので、全く気が抜けません」と言います。たった1枚の和紙をきちんとつくれるようになるには、少なくとも約10年の経験が必要。予想以上に神経を使う、至難の業なのです。
紙自体の需要が危ぶまれていましたが、最近、お酒のラベルやバッグへの活用といった新しい試みも増えています。それは、和紙特有のぬくもりや質感、和の風情などが、改めて見直されてきたから。昔から伝わる職人の技を守りつつ、さらなる進化を模索し続けています。
通常の和紙に比べ、強度が高いと評判の『八女手漉和紙』。その秘密は、原料の楮にあります。八女手漉和紙に使われる九州産の楮は、通常の楮よりも繊維が長く繊維同士がしっかりと絡むので、より強い和紙をつくるのです。また、八女手漉和紙の製造過程において、最も難しいのが漉きの作業。季節や気温・湿度はもちろん、1回も漉いていない原液と、100回、200回と漉いた後の原液とでは濃度が全く異なります。そのため、紙の厚さや繊維の密度を均一にするには、非常に繊細な感覚が必要です。八女手すき和紙組合の松尾茂幸さんは、「目と肌、漉く時の力加減によって、その時の原液の状態を確かめながら漉いていきます。1回漉くごとに環境が変わるので、全く気が抜けません」と言います。たった1枚の和紙をきちんとつくれるようになるには、少なくとも約10年の経験が必要。予想以上に神経を使う、至難の業なのです。
紙自体の需要が危ぶまれていましたが、最近、お酒のラベルやバッグへの活用といった新しい試みも増えています。それは、和紙特有のぬくもりや質感、和の風情などが、改めて見直されてきたから。昔から伝わる職人の技を守りつつ、さらなる進化を模索し続けています。
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問い合わせ先・見学先
八女手すき和紙組合
八女伝統工芸館に併設する八女手すき和紙資料館では、手漉き過程などの体験会も行っています。
八女市本町2-123-2
八女伝統工芸館内
TEL:0943-22-3131
▲楮から採取した繊維を漂白する
▲漂白後の繊維はきめ細かく柔らかい
▲縦横に動かし、均等な厚さに漉く
▲高温の乾燥板で紙を一気に乾燥させる
▲ハガキや封筒、バッグなどを制作