城島鬼瓦 〜
家屋と伝統を守るいぶし銀の鬼瓦
「鬼瓦」というと、いぶし銀色をした、雄々しい表情の鬼をかたどった装飾用の瓦を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし、それは「鬼面瓦(きめんがわら)」という鬼瓦の種類の一つで、他にも鯱や菊、獅子などさまざまな模様や種類があります。そんな鬼瓦の一つ、『城島鬼瓦』の発祥は江戸時代。現在の京都府・兵庫県周辺から、武士のお供として久留米市城島町にやってきた瓦工がつくり始めたといわれています。粘り気の強い上質の粘土が豊富だったこと、そして、筑後川に面し九州・朝鮮半島への流通の便が良かったことから、瓦づくりの文化は城島町ですぐきめんがわらに根づきました。
一般に出回っている瓦はほぼ機械製ですが、鬼瓦は未だ職人の手づくりです。瓦は生地の形成時よりも焼き上がりの方が縮む習性があり、その縮み具合は生地のコンディションによって違うため、温湿度や触感を頼りに図面に描く大きさを調整。職人の勘がものを言う作業です。そして、同様に気を遣うのが、鬼瓦の形や模様となる凹凸をヘラでつけるとき。今村慎一鬼瓦工場の今村さんは、「ヘラさばきは非常に神経を遣います。少し角度が違うだけで形が変わりますし、粘土は温湿度にとても敏感なので、力加減も微妙に違ってくるんですよ」と言います。鬼瓦の出来を左右するなめらかなラインはもちろん、鬼瓦を飾る屋根そのものの美しさまで配慮するところに、職人の信念を感じました。
現在は瓦としてだけでなく、花瓶などのインテリアや、生地の耐熱性を活かして断熱材への応用も研究中。また、生地に砂と大牟田産の粘土を練り込み、ひび割れしにくい頑丈な鬼瓦をつくるなど、さまざまな工夫が施されています。屋根としてだけでなく、魔除けとして、九州の日本家屋の伝統をも守ってきた城島鬼瓦。今後もさまざまな形で、私たちの暮らしを見守ってくれることでしょう。
一般に出回っている瓦はほぼ機械製ですが、鬼瓦は未だ職人の手づくりです。瓦は生地の形成時よりも焼き上がりの方が縮む習性があり、その縮み具合は生地のコンディションによって違うため、温湿度や触感を頼りに図面に描く大きさを調整。職人の勘がものを言う作業です。そして、同様に気を遣うのが、鬼瓦の形や模様となる凹凸をヘラでつけるとき。今村慎一鬼瓦工場の今村さんは、「ヘラさばきは非常に神経を遣います。少し角度が違うだけで形が変わりますし、粘土は温湿度にとても敏感なので、力加減も微妙に違ってくるんですよ」と言います。鬼瓦の出来を左右するなめらかなラインはもちろん、鬼瓦を飾る屋根そのものの美しさまで配慮するところに、職人の信念を感じました。
現在は瓦としてだけでなく、花瓶などのインテリアや、生地の耐熱性を活かして断熱材への応用も研究中。また、生地に砂と大牟田産の粘土を練り込み、ひび割れしにくい頑丈な鬼瓦をつくるなど、さまざまな工夫が施されています。屋根としてだけでなく、魔除けとして、九州の日本家屋の伝統をも守ってきた城島鬼瓦。今後もさまざまな形で、私たちの暮らしを見守ってくれることでしょう。
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問い合わせ先・見学先
城島瓦協同組合
城島町内のあちこちで、鬼面瓦をモチーフにしたモニュメントを見ることができます。約20体あり、大きさも表情もさまざまです。
久留米市城島町城島276
TEL:0942-54-6004
▲生地を彫ったり盛ったりしながら形成
▲うろこなどの細かい模様もヘラ一つで
▲色ムラを防ぐはけ土を塗り、焼き釜へ
▲形成後、2週間~1ヵ月ほど乾燥させる
▲町内のモニュメントも職人の手によるもの