八女矢 〜
弓道の精神を支える、精度と美しさを誇る矢
高い精度による飛距離の良さ、矢羽根の美しさで全国の弓道家に知られている「八女矢」。その始まりは約350年程前、当時の藩主お抱えの矢師が、矢に適した竹が豊富な八女の地に居を構え、生産を開始したことが由来とされています。当初は戦(いくさ)用の矢が主流でしたが、今は弓道家の大切な道具として親しまれています。現在では矢の製作は筑後地方でも数件を残すのみとなりましたが、1984年に県知事指定伝統工芸品に指定されるなど、その高い技術の伝統は継承されています。
八女矢の現在の製作現場を訪ねました。矢の柄的な部分は「箟(の)」と呼ばれ、主に八女近隣に生息する「しのべ竹(矢竹)」を使用します。まず下準備として、しのべ竹を晩秋から冬にかけて収穫し、数ヶ月かけて乾燥させます。そして箟づくりの工程に入ります。まず竹を選別し、節に合わせて長さを切り揃えます。矢は基本的に4本一組みであり、4本が同様の性能を持つこと、飛ぶことが最優先されます。そのため太さ、重さ、長さ、節の位置や矢の羽根が4本揃うことが重要です。そして現場で「すごく」と呼ばれる、工程の中で最も重要な箟の矯正作業がおこなわれます。熟練を積んだ職人が一本一本手作業で、竹を専用のガス器具で熱して筋を伸ばし、真っ直ぐな箟を形成していきます。箟は一本ずつ職人の目で厳重にチェックされ、高い精度が保たれます。その後も削り、色づけのための「火入れ」、磨き、重さを揃えるなどの工程が続きます。最終段階の矧(はぎ)と呼ばれる矢を仕上げる作業では、現在では入手が出来ない鷲や鷹の羽根など貴重な素材が、丁寧に扱われていました。手作業による数多くの工程を経て、八女矢はつくられています。
毎年、春から部活で弓道を始める学生が、矢の購入や修繕のために製作所を訪れることもあります。八女矢の存在は弓道の和の精神とともに、次の世代に継承されています。
八女矢の現在の製作現場を訪ねました。矢の柄的な部分は「箟(の)」と呼ばれ、主に八女近隣に生息する「しのべ竹(矢竹)」を使用します。まず下準備として、しのべ竹を晩秋から冬にかけて収穫し、数ヶ月かけて乾燥させます。そして箟づくりの工程に入ります。まず竹を選別し、節に合わせて長さを切り揃えます。矢は基本的に4本一組みであり、4本が同様の性能を持つこと、飛ぶことが最優先されます。そのため太さ、重さ、長さ、節の位置や矢の羽根が4本揃うことが重要です。そして現場で「すごく」と呼ばれる、工程の中で最も重要な箟の矯正作業がおこなわれます。熟練を積んだ職人が一本一本手作業で、竹を専用のガス器具で熱して筋を伸ばし、真っ直ぐな箟を形成していきます。箟は一本ずつ職人の目で厳重にチェックされ、高い精度が保たれます。その後も削り、色づけのための「火入れ」、磨き、重さを揃えるなどの工程が続きます。最終段階の矧(はぎ)と呼ばれる矢を仕上げる作業では、現在では入手が出来ない鷲や鷹の羽根など貴重な素材が、丁寧に扱われていました。手作業による数多くの工程を経て、八女矢はつくられています。
毎年、春から部活で弓道を始める学生が、矢の購入や修繕のために製作所を訪れることもあります。八女矢の存在は弓道の和の精神とともに、次の世代に継承されています。
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問い合わせ先・見学先
松延弓道具製作所
八女市高塚706−1
TEL:0943-22-4501
見学は要事前予約(作業の指定は不可)
▲1本ずつ職人の目でチェックをします
▲ガス器具を使っての「火入れ」
▲数ヶ月屋上で乾燥させます
▲一本ずつ固定していきます
▲羽をそろえる重要な作業
▲たくさんの工程をふまえ完成した八女矢