赤坂人形 〜
筑後の子ども達に愛され続けた、優しく素朴な人形たち
江戸時代中期の頃から有馬藩の御用窯・赤坂焼の産地であった筑後赤坂の里。その地の窯元で働いていた陶芸職人たちが本業の傍ら制作してい たものが、赤坂人形のルーツと言われています。別名『ててっぽっぽ』とも呼ばれ、素朴ながら深い味わいや親しみに溢れる魅力があり、幼児の玩具、民芸品として郷土の人々に愛され続けている存在です。招き猫や人形のほか、鳩やフクロウの形をしている笛も昔から広く親しまれています。
現在も赤坂の地で、5世代にわたって赤坂人形をつくっている野口さんを訪ね、人形の制作現場を拝見しました。まず、地元で採れる土を練ります。この過程を「かいねり」と呼び、貝殻の表面のような質感の土にします。これが基本であり、一番のポイントです。
次に人形などの2枚1組の型に、窯から出る灰をまぶし、練った土を厚みを調整しながら押し付けていきます。野口さんが使用する型は先代までが作った江戸時代末期から明治のものが多く、壊れてしまうと同じものが作れない大変貴重なものです。そして2枚の型を合わせて外します。接合部分に「耳」と呼ばれるはみ出した部分が出来ますが、赤坂人形ではそこをあえて残します。ここが、素朴さが魅力である赤坂人形の大きな特徴です。形の微調整を経て、笛の場合は背中、人形の場合は底に穴をあけます。特に笛は音が良くなるように調整するのが難しいそうです。その後十分に乾燥させ、約800度の熱で素焼きし、仕上げに有田焼の陶土でつくられた白い顔料の下地を施し、最後に食紅を使った赤、藍、黄、墨などの色付けをして完成です。笛など子どもが口を付けても大丈夫なように、昔ながらの自然由来の素材を使う玩具ならではの気遣いが守られています。
野口さん自身も本業の傍らでの制作で、窯焼きも年に一度のペースだそうです。しかし現在も遠方から依頼があるなど、赤坂人形の魅力は今も人々を惹き付けています。
現在も赤坂の地で、5世代にわたって赤坂人形をつくっている野口さんを訪ね、人形の制作現場を拝見しました。まず、地元で採れる土を練ります。この過程を「かいねり」と呼び、貝殻の表面のような質感の土にします。これが基本であり、一番のポイントです。
次に人形などの2枚1組の型に、窯から出る灰をまぶし、練った土を厚みを調整しながら押し付けていきます。野口さんが使用する型は先代までが作った江戸時代末期から明治のものが多く、壊れてしまうと同じものが作れない大変貴重なものです。そして2枚の型を合わせて外します。接合部分に「耳」と呼ばれるはみ出した部分が出来ますが、赤坂人形ではそこをあえて残します。ここが、素朴さが魅力である赤坂人形の大きな特徴です。形の微調整を経て、笛の場合は背中、人形の場合は底に穴をあけます。特に笛は音が良くなるように調整するのが難しいそうです。その後十分に乾燥させ、約800度の熱で素焼きし、仕上げに有田焼の陶土でつくられた白い顔料の下地を施し、最後に食紅を使った赤、藍、黄、墨などの色付けをして完成です。笛など子どもが口を付けても大丈夫なように、昔ながらの自然由来の素材を使う玩具ならではの気遣いが守られています。
野口さん自身も本業の傍らでの制作で、窯焼きも年に一度のペースだそうです。しかし現在も遠方から依頼があるなど、赤坂人形の魅力は今も人々を惹き付けています。
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問い合わせ先・見学先
赤坂飴本舗(野口紘一)
筑後市蔵数563
TEL:0942-52-4217
見学や体験は不可。商品の販売をおこなっています。
▲熟練の技「かいねり」中の野口さん。力を込めて丁寧に土を練ります
▲微調整をしながら、型に土を押しつけ成型していきます
▲余分な部分は、へらで削ります
▲歴代受け継がれてきた型たち