柳川まり 〜
城下町の女性に受け継がれる 女児の節句を祝う「さげもん」
春の雛祭りの季節になると、柳川市内のさまざまな場所で美しい飾りを目にすることができます。女の子の初節句を祝う雛壇飾り、「さげもん」です。祖母が孫娘のために手づくりした毬や袋物の人形を飾ることで、孫娘の無病息災、丈夫に育つことを願います。この風習は江戸時代に立花藩に仕えた女性たちが、残り布などで子どものための道具入れやおもちゃをつくったこと、そしてそれを飾り出したのが始まりだと言われています。戦争により一旦は廃れかけていましたが、戦後の郷土民芸の再評価ブームの中で柳川の女性たちにより復興し、現在では柳川の春の風物詩となっています。この「さげもん」の中でも一際目立つ存在なのが、美しい模様をあしらった柳川まりです。郷土が生んだ詩人・北原白秋も歌に詠んだ柳川まりは、孫娘が愛らしくまめな性格で育つようにという祖母の想いが込められています。
柳川まりは、現在もひとつひとつ手作業でつくられています。まず最初に、杉の木が材料である薄くて細長い「木毛」を毛糸で丸めます。木毛の材料は黒木町の製材所など地元産のものであり、杉は防虫の効果もあります。そして次に土台となる綿を糸で巻き付けます。美しい球体にするにはこの作業が最も大切です。3つめの工程は「地割」と呼ばれます。模様に応じて、球体の両極からの長さを測りながら基本となる糸を入れていきます。針はふとん用の長めの大きな針を使い、その後にデザインに応じた模様を入れていきます。昔は草木染の木綿糸が主流でしたが、現在はリリアンの糸なども用いながら美しい模様のまりができあがります。
1人分(飾り51個×2)のさげもんをつくるのに1年近くかかるそうですが、現在では雛人形と同じように女の子の一生の宝物として大切にされています。また中学校の手芸の授業や、地域単位で教室を開きつくり方を教えるなど、次の世代に伝える動きもしっかりと続けられています。
柳川まりは、現在もひとつひとつ手作業でつくられています。まず最初に、杉の木が材料である薄くて細長い「木毛」を毛糸で丸めます。木毛の材料は黒木町の製材所など地元産のものであり、杉は防虫の効果もあります。そして次に土台となる綿を糸で巻き付けます。美しい球体にするにはこの作業が最も大切です。3つめの工程は「地割」と呼ばれます。模様に応じて、球体の両極からの長さを測りながら基本となる糸を入れていきます。針はふとん用の長めの大きな針を使い、その後にデザインに応じた模様を入れていきます。昔は草木染の木綿糸が主流でしたが、現在はリリアンの糸なども用いながら美しい模様のまりができあがります。
1人分(飾り51個×2)のさげもんをつくるのに1年近くかかるそうですが、現在では雛人形と同じように女の子の一生の宝物として大切にされています。また中学校の手芸の授業や、地域単位で教室を開きつくり方を教えるなど、次の世代に伝える動きもしっかりと続けられています。
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問い合わせ先
柳川まり保存会
住所:福岡県柳川市下宮永町168
TEL:0944-72-2909
※内容によっては見学が可能です。
お電話にてご相談ください。
▲木毛を丸めた上に綿を糸で巻き付ける
▲長さを測りながら「地割」をおこなう様子
▲「地割」に合わせ模様を入れていく
▲人形などと繋げ「さげもん」が完成