福岡の伝統工芸
久留米絣 くるめがすり染織品
筑後川の豊かさが生んだ、絣文化の代表格
江戸時代、筑後川の肥沃な沿岸一帯で作付けされていた綿花。木綿の糸を麻で括り、藍染めして斑模様をつくり、別の染めパターンの糸を縦横に織り合わせることでさまざまな布面を生み出す「久留米絣」。江戸後期に久留米の米屋の娘だった井上伝(いのうえでん)が生み出し、発展に尽力したその技術は、県産品の枠を超え、日本の絣文化の代表格として人々に愛され続けています。図案づくり、括り、染め、織りなど30以上の高度な技術の工程を経て生まれる、重厚な質感が魅力です。
進化する久留米絣
久留米絣はフランス・パリでの見本市出品など、海外にも積極的にその魅力を紹介しています。最先端の服飾デザイナーが手がけた久留米絣の品々は、日本文化への関心の高さもあって海外の方々にも好意的に迎えられています。
質を左右する作業~手括り
約30の工程を必要とする久留米絣ですが、多くの工程を左右するのは、やはり最初の染める部分を決める工程です。パターンやデザインを決定する絵紙では、その図案により経糸と緯糸の本数が決まります。次にこの絵紙を基本にして見本の糸をつくり(絵糸書き)、別工程で準備した糸に、そのパターンにそって麻などの縄で防染する(染めない)部分を強く括ります。
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久留米絣協同組合
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