ラファウ・ブレハッチ(ピアノ)
2005年、第15回ショパン国際ピアノコンクール優勝。マズルカ賞、ポロネーズ賞、コンツェルト賞、ソナタ賞(クリスチャン・ツィメルマンにより創設)、オーディエンス賞と全てを同時受賞し、同世代で最高のショパン弾きと認められた。それから12年の時を経て、ブレハッチは真に世界的な名声を誇るアーティストの地位を確立している。彼のレパートリーはバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、リスト、ブラームス、ドビュッシー、シマノフスキと拡大を続け、その中からドイツ・グラモフォンより6枚のアルバムがリリースされた。この間の活動が高く評価され、2014年1月には、「ピアノのノーベル賞」とも称されるギルモア賞(アメリカ)を受賞。
1985年ポーランドのナクウォ・ナデ・ノテション生まれ。5歳からピアノを習い始め、ビドゴシチ市のルービンシュタイン音楽学校(ヤチェク・ポランスキ教授)を経て、ナワヴェジスキ音楽大学にてカタジーナ・ボボヴァ=ズィドロン教授に師事、2007年に卒業。在学中より、第13回ヨハン・セバスチャン・バッハ・ポーランド全国コンクール第1位およびグランプリ(1996年)、第5回A.ルービンシュタイン国際青少年ピアノコンクール第2位(2002年)、第5回浜松国際ピアノコンクール1位なしの第2位(2003年)など数々の賞を獲得。
ショパンコンクール優勝後は、ウィーン楽友協会、ベルリン・フィルハーモニー、コンセルトヘボウ、サル・プレイエル、ロイヤル・フェスティバル・ホール、ミラノ・スカラ座など世界の名だたるホールで演奏活動を始め、ザルツブルク、ヴェルビエ、ルール・クラヴィーア、ギルモアといった主要音楽祭にも招かれている。
また、シャルル・デュトワ、ワレリー・ゲルギエフ、ダニエル・ハーディング、パーヴォ・ヤルヴィ、ファビオ・ルイージ、ケント・ナガノ、アンドリス・ネルソンス、ミハイル・プレトニョフ、アントニ・ヴィット、デイヴィッド・ジンマン等世界的な指揮者と共演。
2006年よりドイツ・グラモフォンと専属契約。ポーランド人演奏家として、クリスチャン・ツィメルマンに続く2人目となった。初のCD「ショパン:前奏曲集」でエコー・クラシック賞(ドイツ)、ディアパソン・ドール賞(フランス)を受賞。その後、2010年にはショパン生誕200年を記念してイェジー・セムコフ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管と録音したショパンのピアノ協奏曲1番、2番でドイツ・レコード批評家賞を受賞。「ドビュッシー/シマノフスキ」ではエコー・クラシック賞、グラモフォン誌月間ベスト・アルバム、2013年クラシック音楽の最優秀録音としてフレデリック賞(ポーランド)を授与された。2013年の「ショパン:ポロネーズ集」は発売と同時にゴールド・レコードに輝き、再びドイツ批評家賞を獲得。2017年にはJ.S.バッハの作品集が2月にリリースされ絶賛されている。
批評家たちからこれらの芸術的功績を讃えられ、キジアナ音楽院国際賞(イタリア)を2010年に贈られる。2015年、ポーランド共和国大統領メダルであるポーランド復興勲章カヴァレルスキ十字勲章を授与された。