染め型紙に見る花文様展
※このイベントは終了しました。
主催:小樋登貴枝
長い歴史を誇る、和紙に踊る光と風
鎌倉時代に生まれ、江戸から明治にかけ、隆盛を極めた江戸型彫り。美濃(みの)の手すき和紙に柿渋を塗り、3枚貼り合わせた渋紙に玉鋼(たまはがね)製の小刀を用い、着物の絵柄を彫る技法です。柿渋はカビを生じさせず、虫がつかないことから、古い型彫りは変わらない状態で国内に残っているのに加え、19世紀後半アメリカやドイツ、イギリスなど十数ヵ国にもたらされた数万枚の型紙は、現在も各国の美術館で保管されているそうです。代表的な図柄や模様には小紋、型友禅、紅型など。当初は袴(はかま)の絵柄として利用されていましたが、江戸時代になると庶民の着物にも浸透してきました。
小樋登貴枝(こひときえ)さんは切り絵を10年以上習っていましたが、偶然、型彫りを見て「これだ!」と感じ、すぐに東京在住の江戸型彫りの伝統工芸士・矢田勇さんに連絡して師事。2010年1月から毎月1回上京して、その技術を磨いてきました。
小樋さんは「古典柄は花を題材にしたものが好きです。自分で創作する柄は、幾何学模様が一番多いですね」と、伝統にこだわらない独自の絵柄も、工夫して考え出しています。
「今回、江戸時代後期のものから、大正時代のモダンな模様が描かれた額装や照明、着物やTシャツ、小物など約50点を展示・販売します。花が香り立ち、風に動いているような型彫りの魅力を感じてください」と小樋さん。ご来場をお待ちしています。
[実演]
型彫り・小物型染め