博多織 〜 魅力ある博多織を後世に伝える使命を果たしたい。 - 匠の技 - アクロス福岡
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匠の技

博多織 〜 
魅力ある博多織を後世に伝える使命を果たしたい。

博多織
福岡を代表する伝統的工芸品、博多織。今回紹介するのは、創業以来、産地専門卸商社として博多織にこだわり続ける筑前織物の丸本繁規社長です。作り手と卸商社という2つの顔を持つ事で、生産者と需要者の間に立った産地と業界発展に努めています。丸本社長は、西陣織を扱う専門問屋で修業を積んだ経験の持ち主。そこでの経験が、今に大きく活かされていると言います。「5年程ですが、そこで数多くの西陣織を目にしました。そうして多くのものを見たことで、西陣織とは違う博多織の素晴らしさを再認識する事ができたんです。博多織の柄はシンプルですが、その分、味があり飽きのこないものです。また、何より素材の良さが、弛(ゆる)みの無い締め心地を生んでいます」とのこと。自身が魅せられた博多織の素晴らしさを、職人とは違った方法で多くの人に伝えたいと丸本社長は考えます。42の博多織元が新作を発表する『博多織求評会』では、「長い歴史を誇る博多織だからこそ、古典的な美しさが生きるんです」と、自身も図案づくりに参加。国宝や伝統の柄をモチーフにした博多織を出品。同求評会で最高賞の内閣総理大臣賞を4年連続受賞という実績を残しています。

「博多織は魅力あるものです。その素晴らしさを上手に伝える事ができれば、ニーズは途切れる事は無いと思っています。実際、内閣総理大臣賞を受賞したものは、多くの方からご支持いただいています。それに、一時期に比べ、街で着物姿の人を見かける事が増えてきたような気がします。歴史をつなぐ者として、博多織の良さを後世に伝える使命があり、その責任は重大ですね」と語る丸本社長。西鉄グランドホテルのスイートルームの改装に博多織を提案するなど、『博多織イコール着物』という従来のカタチにとらわれない新たな発想で、洋装やインテリア雑貨まで幅を広げたチャレンジも行っています。

  • 丸本 繁規(まるもと・しげき)
    丸本 繁規(まるもと・しげき)
    筑前織物株式会社 代表取締役社長。博多織求評会の出品作に関して、図案のモチーフ等を職人と共に考案。
  • 匠ギャラリーにて、『「内閣総理大臣賞」受賞作品展』
    2009年4月21日(火)〜4月26日(日)まで開催!
    【10:00〜18:00(最終日16:00まで)】
第106回博多織求評会・内閣総理大臣賞受賞「五色献上華籠」(右)と文部科学大臣賞受賞「筑前間道」(左)
▲第106回博多織求評会・内閣総理大臣賞受賞「五色献上華籠」(右)と文部科学大臣賞受賞「筑前間道」(左)
献上柄を生かしたドレス用生地を作製
▲献上柄を生かしたドレス用生地を作製。2008年九州フレッシュコンテストで右ドレスが最高賞を受賞し、パリのショーにも出品された
「金銅心棘葉形杏葉」
▲海の正倉院・沖ノ島の歴史ある装飾品を主題とした帯「金銅心棘葉形杏葉」。第105回博多織求評会・内閣総理大臣賞受賞
博多献上柄にインテリア機能をプラスして生まれた「平成献上」柄のクッション
▲博多献上柄にインテリア機能をプラスして生まれた「平成献上」柄のクッション