民芸家具 〜
長い時間をかけて育まれた木目の美しさを磨きあげたい。
八女提灯や八女手漉き和紙など、多くの伝統工芸品がある八女地域。今回は、そんな八女南部の黒木町で民芸家具を制作している「木屋民芸(こやみんげい)」の二代目、坂本雅和さんを訪ねました。
「木屋民芸」の特徴は、もみじを中心とした木工芸品づくりを行っていること。もみじと言えば、「紅葉」をイメージされるかもしれません。樹木のもみじと言えば成長が遅い上、虫に弱く、十数年で枯れてしまうことが多く、家具などの工芸品に適した直径20〜30cmに育つまでに樹齢100年以上を有するなど、大変希少な木材です。しかも、樹齢100年以上のもみじとなると、虫も寄り付かないような深山までいかないと手に入れることができず、一年に何本入手できるかといった現状です。
坂本さんいわく、素材としてのもみじは「クセが非常に強く、石を思わせるほど堅いので加工しにくく扱うのが難しい」のだそうです。では、入手も加工も困難なもみじに対し、坂本さんがこだわる理由はなぜでしょう。「台風など天候の影響を受けながらゆっくりと成長するもみじは、年輪が細かく詰まっていて、荒々しく緻密な木目を持っているのが特徴です。その独特の木目は、動物の模様を思わせる縞模様で、トラ目といわれています。扱いにくい木ですが、磨きあげた時の木目の美しさは他の木にはないものがあります。見る角度によって表情を変える木目は、何とも言えませんよ」と坂本さん。「どんな風に仕上がるかは、木を削ってみないと、木がどんな表情を見せるかわかりませんから見当もつきません。木目をつないでいる最中で曲がることもありますし。加工より、木目を選ぶ時間の方が長いかもしれませんね」と、自然そのままの美しさをどう生かすかを考えた物づくりを行っています。「これまでは鏡など小物が多かったのですが、今後は、多様性のある家具を手がけていきたいです」と、坂本さんの物づくりは、まだまだ、これからが本番といった感じでした。
「木屋民芸」の特徴は、もみじを中心とした木工芸品づくりを行っていること。もみじと言えば、「紅葉」をイメージされるかもしれません。樹木のもみじと言えば成長が遅い上、虫に弱く、十数年で枯れてしまうことが多く、家具などの工芸品に適した直径20〜30cmに育つまでに樹齢100年以上を有するなど、大変希少な木材です。しかも、樹齢100年以上のもみじとなると、虫も寄り付かないような深山までいかないと手に入れることができず、一年に何本入手できるかといった現状です。
坂本さんいわく、素材としてのもみじは「クセが非常に強く、石を思わせるほど堅いので加工しにくく扱うのが難しい」のだそうです。では、入手も加工も困難なもみじに対し、坂本さんがこだわる理由はなぜでしょう。「台風など天候の影響を受けながらゆっくりと成長するもみじは、年輪が細かく詰まっていて、荒々しく緻密な木目を持っているのが特徴です。その独特の木目は、動物の模様を思わせる縞模様で、トラ目といわれています。扱いにくい木ですが、磨きあげた時の木目の美しさは他の木にはないものがあります。見る角度によって表情を変える木目は、何とも言えませんよ」と坂本さん。「どんな風に仕上がるかは、木を削ってみないと、木がどんな表情を見せるかわかりませんから見当もつきません。木目をつないでいる最中で曲がることもありますし。加工より、木目を選ぶ時間の方が長いかもしれませんね」と、自然そのままの美しさをどう生かすかを考えた物づくりを行っています。「これまでは鏡など小物が多かったのですが、今後は、多様性のある家具を手がけていきたいです」と、坂本さんの物づくりは、まだまだ、これからが本番といった感じでした。
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製材から加工、仕上げまで手がける「木屋民芸」にて、父親の信彦さんを師に木工芸品づくりを始めて8年。鏡やフォトスタンド、小物入れなどを中心に制作を行う。
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匠ギャラリーにて、『押し花と染物と漆器と和家具の異色の四人展』
2009年6月29日(月)〜7月5日(日)まで開催!
【10:00〜18:00(初日12:00から 最終日16:00まで)】
▲使い込むほどに模様が美しく浮き上がってくるもみじの家具
▲ギターなどの楽器にも見られるトラ目。木目を損なわないよう、木肌を磨き上げる
▲8年の経験を持っても一番神経を使うという鉋がけ。鉋の手入れにも十分気を配る
▲左が無色仕上げの鏡。着色することで特徴的な木目が際立つ。裏は、臍を使い、クセを抑える工夫が施されている
▲仕上げ段階の微調整でも、木質が非常に堅いため鉋がけひとつとっても労を要する