小石原焼 〜
用の美を追求した民陶を伝統の技で守っていきたい。
江戸前期に生まれ、素朴な味わいが人気の小石原焼。「飛び鉋(かんな)」や「刷毛目」などの幾何学的な装飾が施され、”用の美“を追求した焼物として広く民衆に親しまれてきました。
小石原焼は1300℃の高温で焼きしめられるため、丈夫で割れにくいのが特徴です。今回訪ねた「小野窯」は、そんな小石原焼の特徴を活かし、植木鉢を専門としてきた窯元です。植木鉢は外に置かれることが多いため、寒さに強いことが不可欠。そのため、凍りにくく割れにくい小石原焼の鉢は、植木や盆栽の世界では一目置かれているそうです。「植木鉢は生き物が相手ですから、とても奥が深い。木を知らずにいい鉢はつくれません。木を元気にする鉢をつくり続けていきたい」とは、小野窯二代目の小野政司さん。先代の仕事ぶりを見て植木鉢づくりに魅せられました。現在は植木鉢だけでなく、食器や花器など幅広い作品を生み出しています。
小野さんの大きな特色は、手づくりの材料や道具を使い、昔ながらの技法を守って作品づくりを行うこと。釉薬は、自家製の木灰や藁灰などを枡で量って合わせます。また、作陶に用いる単位は「尺」や「合」、窯もガス窯でなく薪窯を使うなど、伝統にこだわる姿勢は本物です。しかし、小野さんにとってそれは「こだわり」でなく「当たり前」のこと。小石原焼の本筋に基づいた仕事をしているだけだといいます。作品から漂う凜とした佇まいは、今に息づく伝統の証なのです。
小野さんは今「小石原の素材を作品に活かしたい」と、土や釉薬に地元の素材を使う取り組みを行っています。まさに、工芸の”地産地消“。土地への深い愛情こそ、小石原焼の魅力を生み出す最高のうわ薬といえるかもしれません。
小石原焼は1300℃の高温で焼きしめられるため、丈夫で割れにくいのが特徴です。今回訪ねた「小野窯」は、そんな小石原焼の特徴を活かし、植木鉢を専門としてきた窯元です。植木鉢は外に置かれることが多いため、寒さに強いことが不可欠。そのため、凍りにくく割れにくい小石原焼の鉢は、植木や盆栽の世界では一目置かれているそうです。「植木鉢は生き物が相手ですから、とても奥が深い。木を知らずにいい鉢はつくれません。木を元気にする鉢をつくり続けていきたい」とは、小野窯二代目の小野政司さん。先代の仕事ぶりを見て植木鉢づくりに魅せられました。現在は植木鉢だけでなく、食器や花器など幅広い作品を生み出しています。
小野さんの大きな特色は、手づくりの材料や道具を使い、昔ながらの技法を守って作品づくりを行うこと。釉薬は、自家製の木灰や藁灰などを枡で量って合わせます。また、作陶に用いる単位は「尺」や「合」、窯もガス窯でなく薪窯を使うなど、伝統にこだわる姿勢は本物です。しかし、小野さんにとってそれは「こだわり」でなく「当たり前」のこと。小石原焼の本筋に基づいた仕事をしているだけだといいます。作品から漂う凜とした佇まいは、今に息づく伝統の証なのです。
小野さんは今「小石原の素材を作品に活かしたい」と、土や釉薬に地元の素材を使う取り組みを行っています。まさに、工芸の”地産地消“。土地への深い愛情こそ、小石原焼の魅力を生み出す最高のうわ薬といえるかもしれません。
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小石原焼小野窯の二代目。平成13年に伝統工芸士の認定を受ける。釉薬や装飾技法の研究に力を注ぐ一方、組合の勉強会などを通して若い世代への伝統の継承にも尽力している。
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匠ギャラリーにて、『高取焼宗家・小石原焼小野窯展』
11月17日(火)〜11月22日(日)まで開催!
【10:00〜18:00(最終日16:00まで)】
▲黒の釉薬に施された「飛び鉋」のビアカップとすり鉢
▲しんと静まる工房に小野さんの気迫が満ちあふれる
▲使い勝手を左右するすり鉢の目も手作業で入れられる
▲成型や装飾に使われる道具は手づくりのものばかり
▲天然材料を使った釉薬は思わぬ仕上がりが期待できる
▲木の種類によって植木鉢の条件もさまざま