染物工芸 〜 自然のもつ優しい色や表情を人形にのせて伝えていきたい。 - 匠の技 - アクロス福岡
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匠の技

染物工芸 〜 
自然のもつ優しい色や表情を人形にのせて伝えていきたい。

染物工芸
今回お訪ねしたのは、草木染・彩樹庵の金丸弘子さん。もともとものづくりが好きで、細工物や染め物作品の展覧会に出かけられたりしていました。やがて、鑑賞する側から創作への興味が高まり、一念発起して嘉麻市の草木染め教室へ。教室で手順など基礎的なことを習ってからは、染料となる材料や色の掛け合わせ法などは本を読みながら、また実践しながら独学で習得されてきたそうです。

「まだまだ試行錯誤の草木染めですが、自然の素材を使って、一枚一枚無垢の布から染めるようにしています。素材には、サクラや西洋アカネの根などの植物の他、乾燥したコチニールという虫を使うこともあって、いつも自然のものからこんなに優しい色が出るのものかと驚かされます。私は、草木染めに絹を使用していますが、それは染まりが良いことと、絹の風合いが好きだからです。人形のしなやかな動きや、やわらかな表情を出すのに絹が適していると思っています」と金丸さん。草木染めで一番気を遣うのは染めの時間だとか。ちょっとした雑念が、染め具合に大きく影響するそうで、辛抱強く待つ根気と無の精神が必要だと語られます。

「始まりは、自分で染めた布を使って人形を飾りたいという思いからでした。せっかくなら、人形は好きなお雛様がいいと人形の土台をつくり始め、今は、人形達の動きに物語性を持たせようと、さらに独自性を求めた物づくりをしているところです。近年は貝殻を使った人形づくりにも力を注いでいて、貝殻の持つ自然な丸みを上手に生かして人形の姿や愛嬌ある動きを表現していきたいです」とのこと。金丸さんのものづくり物語は、まだまだ序章のようです。

  • 金丸 弘子(かなまる・ひろこ)
    金丸 弘子(かなまる・ひろこ)
    2009年5月より、添田町で染め物教室を開校。18人の生徒に染色技術を教えている。彩樹庵では、ギャラリーを兼ねつつ、人形や染め物のスカーフやブローチなども販売。人形は干支や節句物も制作。
  • 匠ギャラリーにて、『草木染ひな展-物語のように-』
    2月15日(月)〜2月21日(日)まで開催!
    【10:00〜18:00(初日12:00から 最終日16:00まで)】
人形の胴体部はワイヤーを使い、動きを表現
▲人形の胴体部はワイヤーを使い、動きを表現
染液に15分程、辛抱強く待って染め上げる
▲染液に15分程、辛抱強く待って染め上げる
重ね染めすることで様々な色が生まれる
▲重ね染めすることで様々な色が生まれる
物語から、動きや衣装、生地の色を考える
▲物語から、動きや衣装、生地の色を考える
染物工芸
▲染物工芸
染物工芸
▲染物工芸