組み木 〜 組み木が持つ自然の温もりと想像力の可能性を伝えたい。 - 匠の技 - アクロス福岡
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組み木 〜 
組み木が持つ自然の温もりと想像力の可能性を伝えたい。

糸のこをどう切り込むかは木目を見定めることが大事
▲糸のこをどう切り込むかは木目を見定めることが大事
今回お訪ねしたのは、組み木工房草野の草野善朗さんです。草野さんが組み木に興味を持ったのは、組み木デザイナー小黒三郎さんの作品を見たのがきっかけでした。その細工技術と、パズルのようなおもしろさに惹かれたと言います。それまで小学校の教諭をされていた草野さんは、図工の時間に糸のこを使った造形物をつくったことがある程度でしたが、幼少の頃からものづくりや製図を引くのが好きだったことから、自然と組み木づくりにのめりこんでいきました。

草野さんのつくる組み木の特徴は、持ち上げても崩れない、計算しつくされた製図にあるといっても過言ではありません。「機関車やバイク、昆虫など、細かいものが好きですね。製図を引く時は、モチーフそのものが持っている造形を崩さないように心掛けています。例えば昆虫の羽根の模様、植物の葉脈、乗り物であれば各部品など、細部までを緻密に描き上げて、一つひとつを組み木のパーツに仕上げるんです。製図ができたら、まず1回、試しにつくってみるでしょう。パーツが細かければ細かいほど、木と木の間に隙き間ができて外れやすくなるので、その部分を考慮して製図を詰める。また、パーツごとに引っかけ部分を考えておかないと、これまた持ち上げることができない。完璧な製図ができるまで4、5個は試作品をつくっています。1つの製図ができるまで約一ヶ月かかりますが、眠る前に、またとない仕掛けなどを思いつくとうれしくなりますね」と草野さん。

「組み木が持つ自然の温もりと、想像力の可能性をもっと多くの人に伝えたい。組み木が、子供も、大人も充分楽しめるものであることを知ってもらいたい」と熱く語っていただきました。

  • 草野 善朗(くさの・よしろう)
    草野 善朗(くさの・よしろう)
    10年前に組み木と出会い、2002年、自宅に工房草野を開く。その後、独自の組み木制作に没頭。年に3〜4回、各地で作品展を開催。毎年夏には、山辺道文化館で親子教室も実施している。
  • 匠ギャラリーにて、『組み木パズル展』
    3月29日(月)〜4月4日(日)まで開催!
    【10:00〜18:00(初日12:00から 最終日16:00まで)】
どんな小さな作品も製図から。製図点数は400点以上だ
▲どんな小さな作品も製図から。製図点数は400点以上だ
下から支えなくても持つことができるのが草野さんの特長
▲下から支えなくても持つことができるのが草野さんの特長
パーツを立体的に出すことで、作品に表情が生まれる
▲パーツを立体的に出すことで、作品に表情が生まれる
大小さまざま35ものパーツでできている機関車
▲大小さまざま35ものパーツでできている機関車